フタロシアニン多層積層型錯体を用いた分子デバイスの創出および新規物性の開拓
Project/Area Number |
14J02656
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional solid state chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀井 洋司 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | フタロシアニン / 単分子磁石 / 電気化学 / テルビウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、フタロシアニン多層積層型錯体の構造と磁気物性の解明という観点から、1)フタロシアニン6層積層型錯体の結晶構造解明および2)フタロシアニン多層積層型錯体の酸化還元に伴う構造・磁気特性の変化の2つについて研究を行った。 1)これまでの研究より、フタロシアニン多層積層型錯体が単分子磁石として振る舞い、積層数を変化させることで分子内の磁気的な相互作用の強弱を制御できることが知られている。本テーマでは、これまでの報告されている中で最も分子内磁気相互作用の弱い6層積層型錯体の合成および結晶構造解明に成功し、6層錯体内の磁性原子は1.3 nm以上離れた距離にあることを明らかにした。従来の単分子磁石研究では、1nm以上離れた磁性イオン間の相互作用は無視できるほど小さいと考えられていた。しかしながら、6層錯体の磁化率測定を行ったところ、1.3 nm以上離れた磁性イオン間にも強磁性的な相互作用が働いており、単分子磁石特性に影響を与えうることが明らかとなった。本研究は単分子磁石設計にも応用できることから、分子磁性分野において一石を投じる結果である。 2)フタロシアニン多層積層型錯体は拡張したπ共役系を有することから、多彩な酸化還元特性を示すことが明らかとなっている。これを単分子磁石特性と組み合わせることで、酸化還元に伴う磁気特性の制御が可能になると考えられる。以上の観点より、本テーマでは、フタロシアニン多層積層型錯体の高酸化状態における構造と磁気特性の解明を行った。結晶構造解析より、多層錯体は酸化に伴って分子を縦方向に圧縮するような変形を示すことを明らかにした。またこの構造変化に伴い、単分子磁石特性も大きく変化することを見出した。とくに4層・5層錯体では、これまでに報告されている中で最も多い5段階の磁気特性制御に成功した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)