Project/Area Number |
14J02820
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長岡 慶 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2015: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | インド / 伝統医療 / 文化人類学 / 身体 / ヒマラヤ / 病い / 仏教復興運動 / 毒と薬 / ホスピタリティー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(1)チベット医学や村人の用いる民間療法の治療実践(2)病いに関する個別の語りと村の伝承(3)仏教復興運動の経緯と現状の3点について現地でフィールドワークを実施し、現地の病いの経験や社会運動の文脈から伝統医療の再編と社会との関わりについて分析、考察することを中心課題とした。 (1)に関して、民間治療者の家庭に長期滞在し民間治療者の日常生活やライフヒストリー、村人たちとの関係について詳細な調査を実施したほか、チベット医学の伝統医や毒(ドー)の解毒薬をつくる薬師、治療儀礼を行う仏教僧から病いの診断方法、治療実践、治療者となった経緯、患者の傾向について調査した。(2)に関して、複数の村で村人から病いの経験や村の伝承について聴き取りをし、実際に伝承と関連のある場所を訪問しそこで行われる儀礼や文化実践を調査した。(3)に関して、1980年代から始まった仏教復興運動について運動団体の指導者ら4名に活動内容や目的、現状を調査した。 本調査と分析から、従来の研究では十分に論じられてこなかったモンパ社会の多元的な医療状況と病いの経験の多様性、とくに土地と身体の不可分な結びつきについて明らかとなった。現地では、高僧によって竜神や妖怪が調伏されたとされる多数の聖地があり、人々の身体の不調を癒す効果があるとされている。1960年代の国境紛争後のタワンの開発政策で聖地が破壊されたことと病いが増えたという認識は密接に結びついており、近年のモンパの歴史や文化の根幹は仏教であるとする考え方を背景とした仏教復興運動による社会変革は、聖地の修復や管理、開発による聖地の破壊を阻止するための取り組みを展開していることから、土地と身体の関係を編みなおす過程としてとらえることができる。社会変容のなかでタワンの伝統医療の実践者たちはモンパの文化の重要な担い手の一人と新たに位置づけられるようになっている。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|