スピンゼーベック効果により変調される磁化ダイナミクスの理論的研究
Project/Area Number |
14J04277
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanostructural physics
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大沼 悠一 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | スピンゼーベック効果 / 磁化ダイナミクス / スピン流 / スピン波 / 強磁性共鳴 / 補償効果 / 非平衡グリーン関数法 / 熱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子のスピン角運動量の流れであるスピン流はジュール熱を発生せずに伝搬できるため、エネルギー損失の少ない情報伝達を可能とすると考えられており、その効率的な生成方法の確立に注目が集まっている。その方法の1つとして知られるスピンゼーベック効果は、強磁性絶縁体と金属の接合系に温度勾配を印加すると、金属にスピン流が生成される現象を指し、熱流による磁化ダイナミクスがスピン流生成の起源とされている。スピンゼーベック効果によるスピン流生成効率を解明するためには、スピンゼーベック効果と磁化ダイナミクスとの間の変換効率を解明する必要がある。 以上の背景から、研究課題である「スピンゼーベック効果により変調される磁化ダイナミクスの理論的研究」を遂行するため、採用2年度は、前年度に行った「スピンゼーベック効果により変調された強磁性共鳴の線幅の微視的な導出」を更に発展させ「スピンゼーベック効果と磁化ダイナミクスの相互作用定数の微視的導出」を非平衡グリーン関数法に基づいて行った。その結果、スピンゼーベック効果と磁化ダイナミクスの相互作用定数には界面での相互作用が含まれることが明らかとなった。 またこの結果を元に、磁化の消失現象である補償効果を示すフェリ磁性絶縁体と金属の接合系において観測されたスピンゼーベック効果の2度の符号反転の理論的説明を試みた。この系では複数の磁性イオンが存在するため、磁化ダイナミクスを表すスピン波が2種類存在し、金属との界面でも異なる相互作用を示すため、スピンゼーベック効果が競合する可能性がある。本研究によって、実験で観測された2度の符号反転がそれぞれ補償効果と2つのスピン波の競合という観点から理論的に説明された。 以上の研究内容は国際会議や国内会議で発表し、Physical Review B誌とNature Communications誌から論文として出版された。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
-
-
-
[Journal Article] Origin of the spin Seebeck effect in compensated ferrimagnets2016
Author(s)
S. Geprgs, A. Kehlberger, F. D. Coletta, Z. Qiu, E. J. Guo, T. Schulz, C. Mix, S. Meyer, A. Kamra, M. Althammer, H. Huebl, G. Jakob, Y. Ohnuma, H. Adachi, J. Barker, S. Maekawa, G. E. W. Bauer, E. Saitoh, R. Gross, S. T. B. Goennenwein, and M. Klaeui
-
Journal Title
Nature Communications
Volume: 7
Issue: 1
Pages: 10452-10452
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-