インフルエンザウイルスの増殖を抑制する新規宿主因子の作用機序の解明とその応用
Project/Area Number |
14J04398
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Veterinary medical science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
髙﨑 紗蘭 東京大学, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Project Status |
Adopted (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザウイルスは、ワクチンや抗ウイルス薬の開発・利用にも関わらず、毎冬になると流行し、公衆衛生上問題となっている。 当研究室では、免疫沈降法・質量分析法・RNA干渉法を組み合わせ、インフルエンザウイルス増殖に抑制的に作用する宿主因子5種類を見出した。平成26年度は、各宿主因子の発現が抑制された293細胞を作出し、計6株のウイルス(A/WSN/33(H1N1)、A/Brisbane/59/2007(H1N1)、A/Niigata/07F102/2008(H1N1)、A/Koganei/2/2000(H3N2)、A/Uruguay/716/2007(H3N2)、B/Hong Kong/73)の増殖を検証した。その結果、特にKH-type splicing regulatory protein(KHSRP)の発現抑制細胞において、H1N1ウイルスの増殖が大きく亢進することが明らかになった。KHSRPに注目して検証を続けた結果、KHSRPはインフルエンザウイルスゲノムの転写・複製効率を阻害することで、ウイルス増殖に抑制的に作用する可能性が示唆された。 本研究成果は、ワクチン製造に用いる培養細胞株樹立への応用を期待できる。これを踏まえ平成26年度は、293細胞よりもウイルス産生能が高いMDCK細胞において、特にインフルエンザウイルス増殖と関連が強い宿主因子の絞込も行った。その結果、特に39種類の宿主因子について、その発現を抑制した場合ウイルス増殖が2倍以上に亢進することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度、インフルエンザ増殖を抑制する新たな宿主因子を1つ同定し、そのメカニズムに迫ることができた。これまでの計画はおおむね、計画通りに進んでおり、この結果をもとに、ワクチン製造用の培養細胞株を作出できることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
KHSRP以外の4種類の宿主因子について、インフルエンザ増殖との関わりを検証する。解析には293細胞等のヒト由来培養細胞株を使用する。これに加え、ゲノム編集技術を利用して、39種類の宿主因子をKnock outしたMDCK細胞を作出し、ワクチン製造細胞としての可能性を検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)