Project/Area Number |
14J04494
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional solid state chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅井 健吾 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | トロピリウムイオン / 光物性 / シクロヘプタトリエン / 近赤外吸収 / pH応答性 / 安定ラジカル / エレクトロクロミズム / オリゴチオフェン / 酸化還元特性 / 一電子酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
3,3'-ビチオフェンが縮環したトロピリウムイオンを基本構造とするカチオン性色素の合成に取り組んだ。電子供与性の異なる種々のアミノ基を両末端に導入した一連のジチエノトロピリウムイオン合成した。アミノ基の電子供与性の増大に伴い、1)カルボカチオンの安定性の指標であるpKR+値が顕著に上昇し、安定なカチオン種が得られること、2)正電荷が分子全体に非局在化したローダミン様の構造をとりやすく、可視領域での強い吸収と赤色蛍光をもつことを見出した。これらの結果により、3,3'-ビチオフェン縮環トロピリウムイオンのカチオン性色素の基本骨格としての有用性を示した。 次に3,3'-ビチオフェン縮環シクロヘプタトリエンを基本骨格とする近赤外吸収色素の開発に取り組んだ。この骨格の両末端にフェノール部位を導入することで、フルオレセイン様の性質を付与できることを見出した。この色素は、カチオン種、中性種、アニオン種の三状態間での酸塩基平衡に起因して、pH依存性の顕著な光物性変化を示した。酸性条件では、芳香族性により安定化されたトロピリウムイオンを生じ、赤色蛍光を示した。一方で、塩基性条件では、脱プロトン化が進行し、生成したアニオン種の負電荷が分子全体へ非局在化することにより、近赤外領域に幅広い強い吸収を示した。さらに、この色素は、化学酸化や電気化学酸化によって安定な中性ラジカルへも変換でき、1600 nm付近に吸収を示した。また、この中性ラジカルは電気化学的に可逆な酸化還元挙動を示し、一電子還元により塩基性条件で得られるアニオン種と同一の化学種を、また、一電子酸化により、前述のトロピリウムイオンとは異なる、近赤外吸収を示すカチオン種を与えた。以上の結果により、3,3'-ビチオフェン縮環シクロヘプタトリエン骨格が,酸塩基平衡や酸化還元によって5つの化学種に相互変換可能であり、共役拡張型ポリメチン色素の有用な基本骨格になり得ることを示した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)