量子化学に基づくシングレットフィッションの機構解明と分子設計指針の確立
Project/Area Number |
14J04505
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 聡一 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | シングレットフィッション / 励起状態 / 分子集合系 / 分子間相互作用 / 量子ダイナミクス / 一重項開殻 / 太陽電池 / 量子化学 / 電子カップリング / 振電カップリング / 有機太陽電池 / ジラジカル / 分子設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
シングレットフィッション(singlet fission, 以下SF)は、分集合体中で起きる、光励起状態における過程の一種である。そこでは、可視/紫外光によって励起された分子(一重項励起子)が近くの基底状態にある分子と相互作用することにより、それら二分子ともが三重項励起子(三重項対状態)となる。この、一つの励起子から二つの励起子を生成する過程を生かして、有機太陽電池の光電変換効率の向上が期待されている。 平成26年度より継続して本研究を行い、高効率なSF実現の為の理論設計指針を構築してきた。ここには、(i) 分子レベルでの一重項/三重項対のエネルギー準位が適合する分子の設計、(ii) 分子間の電子相互作用の分子配向や橋(後述)の設計、(iii) 振電カップリングの設計、などが含まれる。これらの複合的な作用によって全体のSFダイナミクスが決まる。平成28年度の研究では、特に(ii)電子相互作用に関する研究において、分子内と分子間SFのそれぞれについて進展があった。前者では複数架橋体へと拡張を行い、エネルギー準位の系統的な設計に成功した。後者では、新規なクラスの物質系(パンケーキ結合系)のSFへの高いポテンシャルを示した。これはSFの物質科学領域を大きく広げるものと期待される。ダイナミクスに関しては、マスター方程式を用いた量子ダイナミクスを行うことでSFへの電子・振電カップリングの与える影響を実時間シミュレーションすることで明らかにした。また、昨年度の研究報告書において報告した、縮環炭化水素の芳香環・立体障害によるねじれの導入による新規SF分子の設計、量子干渉効果を用いた分子内SFの設計については28年度に論文としてそれぞれ出版した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(34 results)