インドネシアにおけるイスラームと多元的法制度-スマトラ島ミナンカバウ社会の民族誌
Project/Area Number |
14J04551
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西川 慧 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2016: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 慣習法 / 親族 / 感情 / インドネシア / 西スマトラ / 世帯経済 / 土地紛争 / イスラーム法廷 / 村落形成史 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は5月から3月までマレーシア・スランゴール州およびインドネシア西スマトラ州パシシル・スラタン県の一村落におけるフィールドワークを行った。 5月と6月の二度にわたって、マレーシアのスランゴール州でミナンカバウ系移民の調査を行った。調査の結果、マレーシアへの移動の時期によって母系親族との関係維持に違いがあることが分かった。 西スマトラ州では、「心」(hati)と「感情」(perasaan)という二つの民俗観念に関する調査を行った。村人にとって、「心」に芽生える「感情」は神に与えられた神聖なものであり、従うべきものである。また、他人の「感情」を妨げることもタブーとなっている。ただし、実際の社会生活では「自らの『感情』に従う」ことと「他人の『感情』を尊重する」ことのあいだで葛藤が起こっていることが分かった。この観念を念頭において、村の中で日常的に起こるもめ事が「感情」との関連でどのように語られるのか調査を行った。 10月から12月までは県の中心地パイナンに拠点を移し、市民法廷における慣習法の運用に関する調査を行った。裁判官が依拠するミナンカバウの慣習法ハンドブックを参照することができた。ミナンカバウのあいだでも地域によって慣習法が異なっていることを裁判官は理解しているものの、市民法廷ではこの慣習法ハンドブックに依拠して判決を出していることが分かった。 今年度中盤からは、調査データを分析し、それをもとに他の研究者とディスカッションをする機会を得ることができた。同世代の日本人・インドネシア人研究者と共に研究グループを結成し、28年度の9月にはインドネシア科学院 (LIPI)にて研究会を開催した。この研究会を通して、今後の議論の方向性を定めることができた。29年の1月と2月には、受け入れ先のパダン国立大学の研究者たちと共に、私の研究内容に関するディスカッションを複数回行った。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)