Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本年度は1) OXY-型ベータラクタマーゼの阻害剤抵抗性の比較、2) OXY-型ベータラクタマーゼの阻害剤分解の確認を実施した。1) Amblerのクラス分類によりOXY-型ベータラクタマーゼと同じクラスに分類されるTEM-型ベータラクタマーゼとCTX-M型ベータラクタマーゼのクラスAベータラクタマーゼ阻害剤に対する抵抗性を比較した。阻害剤として、スルバクタム、タゾバクタム、クラブラン酸を用いた。阻害剤抵抗性の指標として阻害剤のIC50値を算出した。各阻害剤のIC50値は、TEM-型ベータラクタマーゼとCTX-M型ベータラクタマーゼに対するIC50値と比べ、OXY-型ベータラクタマーゼに対するIC50値は高いものであった。また、OXY-型ベータラクタマーゼは測定した3薬剤のなかでも、特にスルバクタムに対して高い阻害剤抵抗性を示した。2) OXY-型ベータラクタマーゼ、TEM-型ベータラクタマーゼ、CTX-M型ベータラクタマーゼのスルバクタム分解活性を比較した。スルバクタムの分解産物の最大吸収波長における吸光度変化を指標として阻害剤分解活性を測定した。OXY-型ベータラクタマーゼは、TEM-型ベータラクタマーゼやCTX-M型ベータラクタマーゼと比べ、高い分解活性を示した。一般的なクラスAベータラクタマーゼと比較して、OXY-型ベータラクタマーゼは阻害剤に対する高い分解活性を有していた。OXY-型ベータラクタマーゼは、一般的なクラスAベータラクタマーゼに比して高いベータラクタマーゼ阻害剤分解活性を有していた。OXY-型ベータラクタマーゼが示す阻害剤抵抗性は、阻害剤の分解によるベータラクタマーゼ阻害剤不活化に起因することが示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。