Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
山梨県内の6つの市においてブドウべと病菌羅病葉を採集し、遺伝子診断法を用いたCAA殺菌剤耐性ブドウべと病菌のモニタリング調査を行った。以下にその結果を記す。CAA殺菌剤耐性ブドウべと病菌の広がりを見るため、CAA殺菌剤が散布されている7カ所の圃場と、散布されていない5カ所の圃場から採集し、2014年度に366サンプル、2015年度に325サンプル、合計691サンプルのブドウべと病菌DNAサンプルを得た。その後、ASP-PCR法、PCR-RFLP法に供試することで、CAA殺菌剤感受性ヘテロ体か耐性ホモ体かの判別を行った。まず、ASP-PCR法にて、2014年度から20サンプル、2015年度から14サンプルのCAA殺菌剤耐性遺伝子が検出された。これらのサンプルをPCR-RFLP法に供試したところ、34サンプルすべてにおいて、CAA殺菌剤耐性遺伝子および感受性遺伝子の両方が検出された。このことから、すべてのサンプルがCAA殺菌剤感受性ヘテロ体であることが示唆された。以上の結果により、山梨県では未だにCAA殺菌剤耐性菌は出現していないが、圃場内にCAA殺菌剤感受性ヘテロ体が存在していることが確認された。また、欧州における知見を踏まえて(Gisi et al. 2008)、通年で複数回のCAA殺菌剤を散布していた圃場に、防除暦の改善を進言した。その結果、これらの圃場ではCAA殺菌剤耐性菌は検出されず、CAA殺菌剤感受性ヘテロ体も減少傾向となった。このことから、CAA殺菌剤を隔年で散布することにより、耐性菌の発生をコントロールできることが推察された。以上のように、モニタリングによるCAA殺菌剤耐性ブドウべと病菌の抑制効果を確認できた。これは、研究内容が農業現場へ直接的に貢献できた例として、重要である。今後もモニタリングを継続し、CAA殺菌剤耐性ブドウべと病菌の発生に注視していく。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant Health Progress
Volume: 1 Issue: 2 Pages: 1-1
10.1094/php-rs-14-0041
http://www.plantmanagementnetwork.org/php//elements/sum2.aspx?id=10849
http://www.wine.yamanashi.ac.jp/fruitgenetic/index.htm