遺伝子操作の倫理における「リスク」-新優生学思想を手掛かりに-
Project/Area Number |
14J06655
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤塚 京子 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 遺伝子操作 / デザイナー・ベビー / 新優生学 / 生殖補助技術 / 生命倫理 / リスク / エンハンスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遺伝子操作の哲学・倫理学議論における「リスク」について分析と考察を行うこと、そのうえで、新優生学が前提としている危害原則の適用範囲について批判的に検討し、遺伝子操作の倫理の捉えなおしを試みることにある。 昨年度に引き続き、今年度もデザイナー・ベビーに関する文献研究を行った。今年度は、遺伝子操作に限定せず、(疾患目的ではない)着床前診断についての倫理的議論も一部テキストとして扱った。具体的には、昨年度までの分析を通じて明らかになってきた「リスク」について、その意味内容(たとえば、「リスク」として、社会における格差や遺伝的多様性の喪失が指摘されているときに、どのような「格差」が懸念されているのか、どのような「多様性」の喪失が危惧されているのかなど)、その背景にある価値観、前提などを重点的に考察した。また、指摘されている「リスク」の中で、より重要視されているのはどれか、ということも併せて検討を重ねた。そして、こうした作業を通じて、「望ましい」子どもをもつことを推奨する新優生学思想の論理、とりわけ本研究が当初の目的に掲げていた危害原則の適用範囲について考察を進めてきた。 その結果、本研究では「リスク」という視点から遺伝子操作の議論に切り込むことにより、従来の議論にみられた「治療―改良」の境界線の問題などを回避したうえで、異なる角度からデザイナー・ベビーの倫理を見直すことが出来たと考えている。既に成果の一部は研究会等を通じて発表しているが、現在、論文化に向けて執筆作業を進めている段階である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)