カズオ・イシグロの作品における語りと現代世界文学をめぐる「翻訳」の研究
Project/Area Number |
14J07299
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Literature in English
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中嶋 彩佳 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | カズオ・イシグロ / 世界文学 / 翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる今年は、昨年度に引き続き、小説とテレビドラマや映画などの視覚芸術との間で起こるメディア間翻訳という観点からカズオ・イシグロの作品を取りあげた。 今年度は特に、これまで比較的研究がなされてこなかった、イシグロによるテレビドラマや映画の脚本とその映像作品を取りあげた。イシグロは、自身のキャリアの初期である1980年代に、小説の執筆と並行してテレビドラマの脚本を2作執筆しているが、特にA Profile of Arthur J. Masonは主人公を執事に用いている点から、その後の小説The Remains of the Day (『日の名残り』)(1989)の習作としても位置付けられる。しかし、両者にはテレビドラマと小説というメディアの差異から、作品の焦点が微妙に異なっていることが明らかとなった。カメラ・アイという存在が常に付きまとう映像作品とは異なり、小説は、物語を描写する際の視点を、主観的な1人称と客観的な3人称の語りから選択することが可能である。小説では、テレビドラマや映画とは異なる経験を読者に提供したいと考えているイシグロは、The Remains of the Dayでは、非常に主観的な1人称の「信頼できない語り手」を用い、語り手Stevensの過去の回想や人生の思索に重きを置いている。一方、テレビドラマであるA Profile of Arthur J. Masonにおいては、あえて「カントリー・ハウスで働く執事に取材したドキュメンタリー」という設定を組み込むことで、The Remains of the Dayでは表現されていない「執事の日常」を描きながら、テレビという表現媒体を最大限に活かした物語を提示している。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)