ピエール・ブーレーズの音楽創作とその戦略的意図-《エクラ》の自作解釈を一例として
Project/Area Number |
14J07501
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Art at large
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
須藤 まりな 東京藝術大学, 音楽研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2016: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 現代音楽 / セリー / スケッチ研究 / セリー技法 / 音楽素材 / 一次資料研究 / 音楽分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、パウル・ザッハー財団所蔵のスケッチ資料調査に基づき《プリ・スロン・プリ》の第1曲〈賜〉の創作プロセスの解明を進めた。元となるセリー素材をどのように派生させ作品を構築していったのか、その作曲過程の詳細を明らかにしつつ、ブーレーズの音楽創作における「システム」と「自由」の相互関係を考察した。これにより、〈賜〉の作曲が依拠しているブロック・ソノールとよばれるセリー素材に内在する音程の関係網(同形または移高による異種同形)、また柔軟かつ想像力豊かなブーレーズのセリー語法の具体例を示すことができた。 当研究の成果として、英語論文「More than Meets the Eye: Derivations and Stratifications in Don for Orchestra (1962) by Pierre Boulez」を執筆し、米国の音楽学ジャーナル『Journal of Music Theory』に投稿した(現在査読中)。また、2017年3月に東京で行われた国際音楽学会IMSの口頭発表では、1950年代の他の作品との比較をしつつ、論文の内容の一部を発表した。 他方、上記の内容と平行して、《プリ・スロン・プリ》の第5曲〈墓〉における音域決定に関する研究も進める予定であったが、アクセス可能な〈墓〉の一次資料は不完全な状態と推測されるほか、そのスケッチがきわめて複雑であることから、解読作業の進展が遅れている。しかし、〈賜〉の直前に作曲された〈墓〉は、《プリ・スロン・プリ》サイクルにおいて〈賜〉と対になる作品であり、また先述したブーレーズのセリーの特性の転換の論理的根拠を示す例としても重要な位置を占める。採用者は当作品に関する基礎研究を修士論文で行っており、これを基盤としてさらなる未解読スケッチの分析を進め、博士論文の構成章の一部としたい。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)