Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, レーザ加工, 穴あけ加工の高速, 高品質化, 加工効率向上のため, 加工中に集光レンズを駆動することで, アシストガスノズルに対してレーザ光焦点の相対位置を制御可能な加工システムを提案している. 平成2.6年度は, 提案する加工システムを用いた, 切断加工における, 1. 条痕の微細化と, 穴あけ加工における, 2. レーザの高出力化に伴う過剰な酸化燃焼の抑制を可能とする加工法の提案, 評価を実施した. 1. 条痕の微細化 厚板のレーザ切断加工時の, 切断面粗さ改善を目的とした. 厚板切断時, 切断面に形成される周期的な溝(条痕)が深くなりやすく, 面粗さ悪化に繋がる. レーザ光焦点を面内円, 面外上下運動させながらレーザ切断加工を行うことで, 切断面に積極的に細かい条痕を生成し, 面粗さを改善する手法を提案した. 厚み9,1.2.mmの軟鋼のレーザ切断加工試験において, 焦点位置を固定する場合と比べ, 高周波数条件の円, 上下運動の適用により, 条痕が微細化され, 最大65%の面粗さ改善を達成した. 2. レーザの高出力化に伴う過剰な酸化燃焼の抑制 酸素ガスを使用する厚板の穴あけ加工に着目し, 加工初期の板表面での過剰な酸化燃焼(セルフバーニング)を抑制しながら, 加工時間短縮を目的とした. レーザ出力を高めながら, レーザ光焦点を円, 上下運動させて見かけのレーザ強度を抑えることで, セルフバーニングの主な原因とされる, 加工初期の板表面での熱の集中を抑える手法を提案した. 厚み1.2.mmの軟鋼のレーザ穴あけ加工試験において, 高出力レーザ条件で, 焦点位置固定時に発生したセルフバーニングを, レーザ光焦点の円, 上下運動適用により抑制できることを確認した. また, レーザ出力増加前と比べ, 1.6%の加工時間短縮を達成した.
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