詳細つり合い条件を用いないマルコフ連鎖モンテカルロ法の理論的研究
Project/Area Number |
14J07868
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 佑士 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2016: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2015: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 統計力学 / モンテカルロ法 / 拡張アンサンブル法 / 詳細つり合い |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続いて, ねじれ詳細つり合い条件をみたすシミュレーテッドテンパリング(irreversible simulated tempering, IST) アルゴリズムの数値的な性能評価に関する研究を進めた. 前年度では, 2次元強磁性イジング模型に対してISTアルゴリズムを適用し, 詳細つり合い条件を破れがシミュレーテッドテンパリングの性能を改善しうることを示唆する数値的結果を得た. 本年度は1次転移を示す2次元8状態ポッツ模型, およびKT転移を示す2次元XY模型への応用を通して, 詳細つり合い条件の破れの効果を検証した. その結果,これらの模型に対しても詳細つり合い条件の破れは逆温度の緩和を定性的に改善することが数値的に示唆された. 特に逆温度の経験遷移確率の測定から, 逆温度空間における経験遷移確率行列が転移逆温度付近で特徴的な振る舞いを示すものの, 逆温度の個数を十分大きくすることで一様に近づき, 1次元単純ランダムウォークにねじれ詳細つり合い条件の手法を応用した際の遷移確率行列と同様の数理的構造をもつことを数値的に示した. 初年度の解析で1次元ランダムウォークにねじれ詳細つり合い条件を課した際に緩和ダイナミクスが質的に改善されうることを示しており, この結果と合わせて逆温度の緩和ダイナミクスの改善を理論の面からも示したといえる. あわせて, スピンの自己相関時間や秩序変数, エネルギーの自己相関時間にも詳細つり合い条件を破ることで数倍程度の緩和の加速が見られた. 以上の結果から, 本手法を用いることで従来のシミュレーテッドテンパリングよりも効率的な数値実験を行えるといえる.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)