カントにおける「歴史」「統治」「自然」--共和主義と政治改革の文脈で--
Project/Area Number |
14J07918
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
網谷 壮介 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | カント / 共和主義 / 言論の自由 / 統治 / 歴史哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、二度の国内学会報告と一度の国際学会報告を行い、また一本の査読付き論文を発表した。カントの共和主義と政治改革の研究を行うにあたって、特に本年度は①カントの言論の自由の理論、②カントの共和制研究を中心に研究した。 ①については、ドイツ語での報告と国内の政治思想学会での自由論題報告を行い、現在それにもとづいて英語論文を執筆中である。それは、国際ジャーナルに投稿予定のものである。内容としては、従来のカント研究ではほとんど顧みられなかった18世紀ドイツでの言論の自由にまつわる啓蒙思想家の著作を調査し、それをカントの言論の自由の理論と比較することで、後者の特異性を見極めたことが特筆される。ドイツでは当時検閲勅令が出されているなど、言論の自由にかなりの制限がかけられていた。それに対して、啓蒙思想家らは言論の自由を君主の恣意的権力の抑制として擁護した。カントにもそのような側面がないわけでもないが、カントの場合、単に君主制が専制に堕落しないための防波堤として市民の公共空間における言論を理解していただけではない。むしろ、カントの市民的な言論は君主制から共和制への移行を成し遂げるための鍵となる役割を持たされている。 ②については、社会思想史学会の年報に投稿し、先月に修正稿を提出しており、現在はその審査の途中である。内容としては、従来の研究で曖昧なままにされてきた共和制の多様な区別を整理し再構成することで、カントの政治思想の根本的な特徴である、理念へ向けた現実的な改革の提案という点を、明らかにすることができた。カントは「真の共和制」や「純粋共和制」、「設立された共和制」、「共和主義的統治」という4つの類型を用いているが、これらの差異と関係は従来見逃されてきた。しかし、カントの著作をつぶさに検討し、その関係を明らかにすることができた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)