キジル石窟における壁画材料と石窟構造に関する研究-他石窟群との比較を踏まえて-
Project/Area Number |
14J08789
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Art at large
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
三野 麻衣 東京藝術大学, 美術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 石窟壁画 / 中央アジア / 国際情報交換 中国 / 仏教壁画 / 壁画の様式 / 描画材料・技法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、これまでの研究活動(2013、2014年度の現地調査、国内の西域将来文物の調査など)で蓄積されてきた、キジル石窟壁画における調査データの総括が主な研究活動となった。そのうち、蛍光X線分析法をによる分析結果の精査により、キジル壁画の様式(図像学的分野の先行研究により、69窟は主に第1様式うち一部は第2様式、167窟は第1様式、224窟は第2様式とされている)によって、制作に用いた描画材料が異なるということが明らかになった。それぞれの色彩的な差異は一見しても看取できるものであるが、それが具体的にはどのような材料の違いで、どのように使用方法が異なるのかということを科学的に明らかにしたことは意義深い。昨年度の報告で、従来クリソコラ(珪孔雀石)であるとされてきた青緑色が、それとは異なる化合物である可能性を述べた。これは第2様式の壁画からしか見つからないことも、調査の結果明らかとなった。この様式の違いは、キジル石窟群で活動した画工集団の違いであろうと推測される。従来、第1様式は第2様式に先行すると考えられてきたが、その明確な根拠は提示されていない。今後改めて年代を検討するにあたり、壁画の様式はそもそも2つでよいのか、画工集団の出自はどこかなど、疑問点は多いがこの描画材料の違いというのは重要な手掛かりとなろう。 昨年度は、キジル壁画の比較対象として敦煌莫高窟での現地調査を実施した。敦煌壁画は窟によって全く図像や画風が異なり、非常に多様な様式が存在していたことを実感した。キジル壁画を鑑みると、様式の違いや描画材料の差異は明らかに存在するものの、敦煌に比べると全体的に大変画一的な画風であるということが分かる。これは画工集団に複数の流派は存在したものの、明らかに同じ文化的基盤を共有しており、それが約500年にわたって継承されていたということを示していると申請者は考察している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)