リスク回避バイアスの生成原理の理論的解明とその社会システムへの応用
Project/Area Number |
14J09289
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social systems engineering/Safety system
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田邊 奨馬 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 社会科学 / 心理学的バイアス / 進化ゲーム理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
得られる報酬が不確実な状況下で、人間のリスクに対する嗜好性は、様々な条件によって変化する。このような現象は一般に心理学的バイアスと呼ばれており、主に心理学および経済学系の分野で追求されているが、心理学的バイアスがなぜ存在するのかという根本的な疑問についてはあまり解明されていない。心理学的バイアスの解釈やその進化的基盤を理論的に与えることは、バイアスが引き起こす様々な問題(社会的ジレンマなど)を解決する重要な手掛かりになると期待できるため、社会システムが関係する広い分野において価値がある研究であると思われる。 そこで本研究では、心理学的バイアスの一つであるリスク回避バイアスの生成原理について、進化ゲーム理論による解釈を与えることを目標とした。本研究の解析では、報酬とリスクが設定された選択肢の集合を用意し、進化ゲーム理論の考えに基づき、「どの選択肢が集団の中でシェアを広げるのか」を主に考えた。解析の際には、adaptive dynamics といった数理的手法を用いた。 主な研究結果を以下に示す。(1)期待報酬が0である単極または二極型の選択肢の集合では、任意の選択肢に対してよりシェアを広げやすいという選択肢は存在せず、従って、最良の選択肢は時々刻々と変化することが判った。この結果は、リスク回避バイアスが他者のとる選択肢について流動的である可能性を示唆する。(2)競争する2人の選択肢の集合が異なる場合、自分が相手に比べて有利な状況では現状維持の選択をすることが最良であり、逆に不利な状況ではリスクの伴う選択をすることが最良であるという傾向があることが判った。(3)競争する2人の選択のタイミングが異なる状況では、先行して選ぶ側は現状維持の選択をすることが最良であるという傾向があることが判った。(2)(3)の結果は、競争する2人の選択が平等でない状況が、リスク回避バイアスに影響を及ぼす可能性を示唆する。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)