多粒子系における量子連続測定の統計的性質とエンタングルメントへの応用
Project/Area Number |
14J09905
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Atomic/Molecular/Quantum electronics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
倉持 結 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 量子測定 / 量子情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)与えられた量子インストゥルメントに対して保存される最小のPOVMの構成 与えられたインストゥルメントIに対して,Iによって保存されるようなPOVMが存在するかという問題について考察した.この問の答えはYesであり,そのようなPOVMは具体的に,Iを可算無限回続けて行ったときの測定出力として,Kolmogorovの拡張定理のPOVM版を用いることで構成できることを示した.更に,このようにして構成されたPOVM は,古典情報処理によって導入される前順序の意味で最小であること,すなわち,Iによって保存される任意のPOVM からある古典情報処理を行って得られることを証明した. (2)可分ヒルベルト空間上の最小十分POVM (YK, J. Math. Phys. 56, 102205 (2015)) 本研究では,被測定系のヒルベルト空間Hが可分(Hの次元が有限または可算無限)であることのみを仮定し,任意に与えられたPOVMに対して,系と無関係な部分を縮約する一般的な方法を,文献[5,6]から着想を得た方法で与え,POVMのもつ系と無関係な冗長な部分が最も少ないことを示す「最小十分性」という性質を満たすことを示した.更に,与えられたPOVMと同等の情報を与える最小十分なPOVMは,(零集合を除いた)ラベルの付け替えの任意性を除いて一意であることを示した.本研究で与えた構成法から直ちに,可分ヒルベルト空間上のPOVMの統計的同値類(古典情報処理で同一視できるPOVMを一つにまとめる)全体が集合をなすことが分かり,POVMのなす空間を数学的に考察するための基礎を打ち立てた.また,量子測定過程の考察において,統計学上の概念が有効であることも示した.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)