ミスマッチ塩基対の検出に対するルテニウム錯体光誘起機能の活用に向けた理論研究
Project/Area Number |
14J10694
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大塚 美穂 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Ru錯体 / 励起状態特性 / TD-DFT計算 / 分子動力学計算 / 溶媒水分布 / ルテニウム錯体 / DNA 挿入構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、DNA挿入下におけるRu錯体の発光について、錯体と塩基間および錯体と溶媒水分子間の相互作用に着目して考察し、ミスマッチ塩基対の検出に活用可能なRu錯体の設計指針を理論的に示すことである。本年度は、適正塩基対挿入錯体およびミスマッチ塩基対挿入錯体の挿入環境における錯体の励起状態特性を明らかにするため、孤立錯体、錯体と水2分子との複合体、および錯体まわりのDNA構成原子を含めた系に対してTD-DFT計算を行った。 DNA挿入下におけるNphz-Hwの最近接距離 (3.0 - 3.6 Å) に水分子を配置したモデル錯体の励起状態特性は孤立錯体のものと類似しており、Nphzと水分子との局所的な相互作用が錯体の励起状態特性に及ぼす影響は小さいことが明らかになった。 錯体まわりのDNA構成原子を含めた系に対するTD-DFT計算から、錯体の最低3MLCT状態は3MLCTbpy (明状態) であることが示された。錯体まわりのDNA構成原子がつくる静電ポテンシャルを見積もると、挿入環境の違いに依らず共に負の値をもち、dppz配位子側よりもbpy配位子側が相対的に小さくなっていることが示された。したがって、DNA挿入下における錯体の最低3MLCT状態が3MLCTbpyである要因のひとつとして、DNAがつくる静電ポテンシャル場の影響があることが示唆された。 本研究では、DNA挿入錯体の発光を担う励起状態は挿入環境に依らず3MLCTbpy状態であることや、DNAの静電場との相互作用により3MLCTbpy状態が安定化する可能性について示した。すなわち、輻射速度定数は挿入環境にあまり依存しないことが示唆される。したがって、挿入環境により異なる発光量子収率の解釈へと研究を発展させるには、無輻射速度定数についての知見を得ることが必要であると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)