Project/Area Number |
14J10994
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
戸井田 明憲 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スピロリド類 / ムスカリン受容体阻害作用 / [6,5,5]-ジスピロケタール / 渡環反応 / 異性化 / 閉環メタセシス / 立体選択的還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
スピロリド類は1995年にWrightらによって単離・構造決定された化合物群であり、ムスカリン受容体阻害作用を示すことが知られている。本化合物群の全合成に向け、本年度は[6, 5, 5]-ジスピロケタール(BCD)環の構築を試みた。 研究開始当初の計画に基づき、渡環反応によるBCD環構築を行った。調製したケトンとアルデヒドを用いてアルドール反応や閉環メタセシスを含む14工程の変換を経て渡環反応の基質となるマクロラクトンを合成した。合成した前駆体を用いて渡環反応の検討を行った結果、MS-5A存在下ベンゼン中室温で48時間反応させるとジスピロケタールの異性体混合物が収率84%で得られたが、主生成物は望みとしないC15位異性体であった。そこで、渡環反応が完結した後に酸性条件下で生成したジスピロケタールを異性化させたところ、望みの異性体が高い立体選択性で得られることを見出した。 次に渡環反応の有用性を示すために、テザーを持たない鎖状基質を調製して同様の条件で環化反応を行った。その結果、鎖状基質ではC15位異性体が生成しやすいというこれまでの報告とは異なり、望みの異性体が主生成物として得られることが明らかになった。 得られた望みの異性体を用いてカップリング前駆体への変換を行った。ベンジルエーテルを加水素分解により除去した後に、生じた水酸基をTES基で保護した基質を用いて水素添加を行った結果、ジアステレオマーの比が11:1と高い立体選択性で望みの異性体が得られることを見出した。続いてTES基の除去とDess-Martin酸化、大平-Bestmann試薬による増炭を行ってアルキンとした後、エステルをDIBALHにより還元することで得られるアルコールをDess-Martin酸化によりアルデヒドとすることで、カップリング前駆体の合成を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の一つであるBCD環フラグメントの合成を達成したことから、研究は概ね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
E環フラグメントの合成を完了する。合成した2つのフラグメントのカップリングを行い、マクロ環化異性化反応による炭素23員環構築を行う。その後、加熱のみによる環状イミン形成等を行ってスピロリドDの全合成を完了する。
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