Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
(1) 当初の研究計画 神経筋接合部(NMJ)は骨格筋の基本単位である筋管と運動神経の軸索末端の間に形成されるシナプスであり、運動神経による骨格筋収縮の制御に必須の役割を担っている。NMJの機能や形成不全は易疲労性の筋力低下を伴う筋無力症の原因となる。最近、先天性筋無力症候群(CMS)の中でも原因遺伝子が不明な症例において、糖鎖修飾に関連する複数の遺伝子に病原性の変異が発見された。当該患者のNMJでは、NMJの神経伝達物質であるアセチルコリン(ACh)の受容体であるACh受容体(AChR)の発現減少とNMJの形態異常が観察されており、正常なNMJの形成に糖鎖修飾が必須の役割を持つことが予見されている。しかし、糖鎖修飾酵素に変異を持つ患者がCMSを発症する分子基盤については未解明であり、その解析が待たれている。以上の経緯を踏まえ、本研究員は、NMJの形成・維持に必須な分子であるLrp4の機能制御に重要と思われる糖鎖修飾が存在するという独自の発見を基に、当該分子の糖鎖修飾異常がCMS発症機構の一端を担っている可能性に思い至った。そこで、NMJ形成におけるLrp4の翻訳後修飾の実体とその機能の解明を通じて、CMS発症の分子基盤やLrp4の機能制御機構の理解を目指す本研究の着想を得た。(2) 研究成果 平成26年度の研究では、Lrp4に保存された糖鎖修飾部位のコンセンサス配列に着目し、様々な糖鎖修飾候補部位に変異を導入することで当該修飾部位の同定を試みた。作製した糖鎖修飾候補部位変異体の強制発現実験により、Lrp4が複数の糖鎖修飾を受けること、及び、当該糖鎖修飾がLrp4の細胞表面における発現制御に関与することを見出した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2014
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 111(46) Pages: 16556-61