静水圧平衡近似を超えた銀河団ガス分布の動力学的モデル構築
Project/Area Number |
14J11473
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須藤 大地 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 銀河団 / ダークマター / 静水圧平衡 / 宇宙の構造形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
静水圧平衡を超えた銀河団ガス分布の動力学的モデル構築のため、銀河団の質量の大部分を担うダークマターの構造と進化を、N体シミュレーションを用いて検証した。 まず、ダークマターハローの進化を記述する球対称崩壊モデルの予言が、シミュレーション中の個々のハローの進化をどの程度よく記述するかを調べた。その結果、現在時刻付近からモデルの予言がシミュレーションの結果からかなりずれるが、これはダークマターの速度分散が発達すること、すなわちハローの内部の緩和が主な原因であることを示した。 続いて、球対称崩壊モデルを三軸不等の楕円体に拡張した、楕円体崩壊モデルがシミュレーション中のハローの進化をどの程度よく予言するかを調べた。個々のハローについてモデルとシミュレーション結果を比べた場合、シミュレーション中のハローを楕円体で近似する手法に依存する点が多く、また、楕円体崩壊モデルが多くの近似や仮定を含むため、定量的に差異を議論することは難しい。一方で、多くのハローを統計的に見た場合、ハローを楕円体で近似する手法に依存せず、シミュレーション結果とモデルには明確な差異がある。すなわち、初期時刻では両者とも、重いハローほど丸い傾向があるが、現在時刻になると、モデルの予言では変わらず重いハローほど丸いのに対し、シミュレーション結果は軽いハローほど丸い。本研究では両者のずれが生じていく過程をはじめて示し、その原因をハロー内部の緩和過程と結びつけて説明した。 また、ハローの球対称性からのずれが、ハローの内側と外側とで異なることを示し、観測的にハローの非球対象性を測定する際にこの事実が与える影響を議論し、観測と直接比較できるハローの軸比の分布を作成した。 以上の結果は銀河団内部の力学的過程についてより深い洞察を与えるとともに、将来の観測において検証可能な、ハローの非球対称性についてのモデルを構築した点で重要である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)