熱起電力計測を中心とした単分子接合の電子状態規定と新規物性探索
Project/Area Number |
14J11516
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松下 龍二 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2015: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 熱電能 / 電子構造 / 単分子接合 / 電子構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1) 熱電能と電気伝導度の同時計測に基づく、単分子接合の電子構造解析法の開発・適用、(2) 振動分光による単分子接合の原子構造解析 により単分子接合の原子・電子構造を規定した単分子計測法を確立することを目的とした。 昨年度は金電極間に1, 4-ベンゼンジチオール(BDT)分子が架橋した系(金/BDT接合)の熱電能計測を実施した。まず、室温にて金/BDT接合の熱起電力の温度差依存性を計測した。計測では正の電圧値をとる接合と負の電圧値をとる接合が観測された。そこで各々の熱電的性質を調べるため、電圧値を、正の値と負の値をとるグループに区分けして各グル―プの平均値を見積もった。その結果、正のグループは一致した挙動を示し、熱電能を15.5μV/Kと求めた。この結果は先行研究とおよそ一致した。一方で負の電圧値も観測された。先行研究と異なる負の熱電能の出現は接合作製系の違いに起因すると思われる。以上、金/BDT接合のキャリアを決定することができた。 次いで低温(20 K ~ 50 K)にて、金/BDT接合に関して熱電能-IV特性計測を実施した。Breit-Wignerモデルを用いた解析から、本計測では伝導軌道準位-フェルミ準位間エネルギー差を1eVと見積もった。加えて、振動分光計測(IETS)を実施して架橋分子種を決定しつつ熱電能計測を実施した。IETS-熱電能その場計測において、単分子接合の電気伝導度と熱電能の間の負の相関をとらえることができた。電気伝導度-熱電能間の相関は、金属-分子間の相互作用増加によるカップリングの増加で電気伝導度が増えた一方、透過率関数の傾きが減り、熱電能が減少した、と解釈できる。以上、電子状態を決定し、かつ電子状態のダイナミクスを観測した。本研究で提案された計測手法は物性発現機構の詳細な理解を可能にし、新規物性探索に寄与すると期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)