Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究では、マウスの嗅覚受容体mRNAが嗅神経細胞の軸索末端に存在する現象を研究対象として、神経細胞でmRNAの局在化を担う分子機構の解明を試みる。また、嗅覚受容体mRNAの局在化に関わる因子の欠損マウスを解析することによって、軸索に配置された嗅覚受容体が担う生理的役割を解析する。昨年度までに、1) RNA結合タンパク質CBF-Aが嗅神経細胞に高発現していること、2)CBF-Aは嗅覚上皮細胞において多種類の嗅覚受容体mRNAと結合していること、3) 嗅覚受容体遺伝子群の多くは、停止コドンから約1kb下流にRTS(RNA trafficking sequence)と呼ばれるCBF-Aの結合配列を有することを見いだした。これらの結果から、CBF-AはRTSを介して嗅覚受容体mRNAと結合し、その局在化に関与する可能性が示唆された。本年度は、 CBF-Aの嗅神経細胞における機能を明らかにすることを目的として、CBF-A遺伝子改変マウスの嗅覚組織の解析を進めた。遺伝子改変マウスは、Stony Brook University (New York, USA) の研究者よって確立されており、共同研究により譲渡を受けた。現在、CBF-A欠損マウスの嗅上皮や嗅球の形態、嗅覚受容体mRNAの安定性および局在、他の遺伝子の発現や局在への影響を中心に解析を進めている。また、嗅覚受容体mRNA上に見いだされたRTS配列がmRNAの軸索局在や翻訳状態に与える影響について、培養細胞を用いた系で検証を進めている。現在までに蛍光タンパク質GFPのコード配列の下流に、嗅覚受容体mRNA 3’側非コード領域(3’UTR)の配列を組み込んだ発現ベクターを作成し、それらを神経系培養細胞に導入する系が確立した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 3 results)
PloS ONE
Volume: 10(2) Issue: 2 Pages: e0117677-e0117677
10.1371/journal.pone.0117677
EMBO Journal
Volume: 33 Issue: 11 Pages: 1243-1255
10.1002/embj.201387329
バイオイメージング
Volume: 23(1) Pages: 18-22