成長期卵母細胞におけるSETドメインを持つ遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
15011204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
畑田 出穂 群馬大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50212147)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | メチル化 / インプリンティング / エピジェネティク / 卵母細胞 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
ほ乳類の配偶子形成過程ではゲノムのエピジェネティクな情報のリプログラミングが起こり、精子型あるいは卵子型のそれぞれ特異的なエピジェネティクな情報の記憶、すなわちゲノムインプリントを持つようになる。ゲノムインプリントは始原生殖細胞で消去され、卵子型インプリントはそののち卵母細胞の成長期に再成立する。インプリントの本体はDNAのメチル化であると考えられているが、どのようにてインプリント遺伝子に特異的にメチル化が成立するのかは明らかではない。 最近の酵母、植物などの研究から遺伝子の不活性化にはRNAi→ヒストンのメチル化→DNAのメチル化と、いった流れがあると考えられるようになってきている。私たちはこれまでのインプリント遺伝子U2af1-rs1を用いたトランスジェニックマウスの実験でインプリント遺伝子のメチル化にRNAiが関与することを示唆するデータを得ている。またU2af1-rs1を含めインプリント遺伝子にはアンチセンスの転写物が多く存在することから、卵子型インプリントが導入される遺伝子では雌の生殖細胞でのみアンチセンス転写物が存在しRNAiが起こり、雄の生殖細胞ではアンチセンス転写物が存在しないので、卵子特異的にインプリントが導入されるというモデルを提唱している。このモデルだとインプリント遺伝子に特異的な配列を仮定する必要がなく、インプリント遺伝子に共通する配列がみつかっていない事実うまく説明できる。 この研究ではインプリントの成立機構の研究を容易にするため、我々が開発した雌におけるインプリントの成立過程をシャーレの中で再現できる卵母細胞の培養系を用いゲノムインプリンティングの分子機構の研究をおこなってインプリンティング成立に関与する遺伝子を探るため、成立時に発現誘導される遺伝子をマイクロアレイを用いて網羅的に検索した。インプリンティングの成立していないものとして生後1日マウス由来の卵母細胞(ng卵)、インプリントが成立中のものとしては生後10日目の卵母細胞(eg卵)を用いた。アレイは1万程即cDNAの固定されたものを用いた。その結果Dnmt1,Dnmt3LなどのDNAメチル化酵素の発現が強く誘導されることがわかった。その他にもインプリンティングに関係しそうな候補遺伝子があるが現在確認中である。またBmp15など卵胞の分化成長に重要な因子と知られているものや新規のhomeoboxを持つ遺伝子なども発現誘導されており、卵胞の分化成長の関係が示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
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