マウス精子形成関連遺伝子群の成立・維持と特異的発現制御機構の解析
Project/Area Number |
15011231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野崎 正美 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30189394)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | イントロンレス遺伝子 / レトロポジション / 遺伝子変換 / 遺伝子重複 / プロモーター / 半数体精細胞 / 精子形成 / 基本転写 |
Research Abstract |
精子形成関連遺伝子群の構造上の特徴:精子においてエネルギー供給に重要な脂質代謝に関連する精巣型Succinyl CoA transferase(Oxct2a and Oxct2b)遺伝子の構造を解析した。これらはどちらもイントロンレス遺伝子であり、イントロンを持つ体細胞型Oxctから生じた。まず齧歯類と霊長類が分岐する前にレトロポゾンによって、Bmp8遺伝子第3イントロン中に挿入され、その後Bmp8遺伝子とともに分節的遺伝子重複によって、染色体近傍で倍加した。そしてマウスとヒトが分かれた後、種ごとで複数回のgene conversion(遺伝子変換)が行われ、96%以上という高い相同性を保った状態で存在している(Onishi et al.,2004)。雄性生殖細胞特異的遺伝子にはイントロンレスが多いが、プロモーターを持たないmRNA由来のDNAが機能的遺伝子となるためには、本来プロモーターでない配列からでも転写できる環境が必要であり、それが雄性生殖細胞の特徴の一つと考えられる。 発現制御機構:半数体精細胞特異的Tact1遺伝子はイントロンレスであり(Hisano et al.,2003a)、遺伝子内部のCpGアイランドのメチル化によって体細胞では発現が抑制され、生殖細胞での発現には脱メチル化が必要であることを示した(Hisano et al.,2003b)。遺伝子内部のメチル化による発現抑制は外来性遺伝子抑制のための生体防御機構の一つであり、生殖細胞ではこれを遺伝子発現制御に用いている可能性が示唆された。また、精細管へDNAを注入した後、エレクロトポレーションを行う生体生殖細胞遺伝子導入系を用いたプロモーターアッセイ系を確立し(Ike et al.,2004)、半数体精細胞特異的遺伝子プロモーターの解析を行った。これらはTATA-boxなどの、基本転写の複合体形成初期過程に必須なエレメントを持たないものが多く,転写開始点下流プロモーターを初めとする、精細胞特有コアプロモーターが重要な役割を果たすことを示した。現在半数体精細胞特異的、基本転写機構の解析を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)