進化生物学、発生生物学、ゲノム情報による複合的な形態形成研究
Project/Area Number |
15011234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小椋 利彦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60273851)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
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Keywords | digit ideptity / Tbx2 / Tbx3 / BMP / Shh / CV2 |
Research Abstract |
指の個性の決定 4本の指をもつニワトリ脚において、Tbx2は第4指、Tbx3は第3指から後方に発現している。指の個性は、各指の後方の中胚葉組織が決定することが知られており、この時BMPシグナルが重要であると報告されている。Tbx2、Tbx3遺伝子とBMPシグナルがどのように連関して指の個性を決めているのかを実験によつて確認した。まず、Tbx2を肢芽に強制発現させると、第3指は第4指の形態に変化することが確認された。また、Tbx3の強制発現は第2指から第3指への形態転換を誘導した。この時、Bmp2遺伝子の発現変化も起こることがわかった。逆に、dominant negativeなTbx2、Tbx3、遺伝子はこれと正反対の形態変換を引き起こす。このことは脚の後方の指の個性はTbx2、Tbx3遺伝子がBMPシグナルと密接に連携しながら決められていくことを意味している。また、本研究では、ニワトリ第2指の形成を制御すると思われるTbx遺伝子を見いだすことができた。また、第1指は、BMP、Shh等のシグナルが積極的に抑制されることによって決定される可能性が見いだされ、前後軸に沿って並び、異なる形態を示すさまざまな指の形成メカニズムの全貌に近付くことができた。 BMPシグナルの修飾因子 肢芽の形成には、さまざまなシグナル因子が関与しているが、BMPはその主要なものの一つである。BMPのシグナル伝達のメカニズムを知るため、ショウジョウバエCV2遺伝子のマウス、ニワトリホモログを単離して検討した。その結果、脊椎動物にも、CV2遺伝子が存在し、Chrodin様のCR-rich domainを有する分泌蛋白であることが判明した。この蛋白は、BMPシグナルが活発な部位で発現していた。また、生化学的な解析を行うことによって、ニワトリCV2蛋白が、BMP4シグナルを正に制御している可能性が出てきた。これまでに同定されたCR-rich domainをもつ蛋白は、BMPシグナルに対して負に働くが、CV2はこれと対称的な制御を行う。このことは、BMPシグナルが多様な分泌因子によって巧妙に制御されていることを意味しており、細胞外シグナルの調節機構に関して、新しい知見を加えることができたと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)