RNA-RNA分子間相互作用からみた新しいポストゲノム時代の研究手法の開発
Project/Area Number |
15014216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
田中 照通 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30273337)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | Ribonuclease P / tRNA / coevolution / RNA world / Escherichia coli / hyperprocessing / cloverleaf |
Research Abstract |
本申請研究では、生物に普遍的に存在する生体分子tRNAとその成熟化酵素であるリボヌクレアーゼPをモデルとしてRNA-RNA間相互作用における生物種の「違い」というものが存在することを明らかにしてきた。tRNAは生物種を超えて同じクローバーリーフ構造を有しているが、その塩基配列選択においては多少の自由度が存在する。配列の選択は偶発的な結果なのか、それとも何らかの淘汰圧による方向性を有しているのか?こうした事柄の理解はゲノムの理解においても有用な知見を持たす筈である。本研究では、tRNAの構造安定性とリボヌクレアーゼPの有する毒性という組み合わせを試験管内おいて出現させることで、真核生物tRNAと真正細菌tRNAとにおける構造安定性の違いを明らかにした。また、これらのtRNAの安定性の違いがリボヌクレアーゼPのRNAサブユニットの基質認識の違いと呼応することから「tRNAとリボヌクレアーゼPとの共進化」モデルを提唱するに至った。本年度の研究では、大腸菌リボヌクレアーゼPと種々の生物由来のtRNAとの反応性を解析することで、実験的な証拠を提示するとともに、tRNA分子がそのクローバーリーフ構造を安定化させるために採用している分子レベルでの構造安定化戦略を幾つか抽出した。 大腸菌のリボヌクレアーゼPはtRNAだけでなく、tRNAと同じCCA-3'末端を有するヘアピン型RNAをも切断することができる。この異常活性は変性したtRNAやtRNAもどきのRNAを細胞内から除去する品質管理の役割の可能牲もあるが、この酵素と共に共進化してきたtRNA分子をも選んできた可能性は高い。実際に大腸菌tRNAの構造は極めて安定な部類に属し、アンチセンスオリゴの共存下でもなかなか変性しない。こうした実験的な知見と塩基配列との呼応をはかることで、ゲノム内の塩基配列においてどのような配列パターンがそれぞれの生物種において選択されているか、明らかになってゆくものと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)