ポリグルタミン病におけるリソゾーム蛋白質分解系の病態解析
Project/Area Number |
15016044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 光則 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (30240039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 均 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90206839)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 脳神経疾患 / 病理学 |
Research Abstract |
神経細胞胞体内における変異蛋白質の局在、出現頻度、ならびに核内病変との関連を明らかにする目的から、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)2例、ならびにMachado-Joseph病(MJD)4例の中枢・末梢神経系を検索した。さらにDRPLAの橋核神経細胞において、PolyQ鎖とカテプシン群(リソゾーム系蛋白質分解酵素)との共存関係を解析した。 DRPLAでは胞体内顆粒は核病変と同一の広範な領域に認められ、PolyQ鎖長依存性に各領域の頻度が増加した。若年型例では、歯状核赤核系、淡蒼球ルイ体系、下オリーブ核が60%以上の高頻度を呈し、さらに動眼神経核、橋核は若年型、遅発成人型に共通して高頻度の領域となった。胞体内顆粒の出現頻度は多くの領域で核病変よりやや低い傾向を示した。 MJDでは胞体内顆粒の出現は核病変の分布とほぼ一致し、多くの領域で同頻度あるいは軽度減少する傾向が見られた。DRPLAほど明瞭ではないが、出現頻度はPolyQ鎖長依存性に増加する傾向が見られた。注目すべきは脊髄前角の大型神経細胞であり、4症例に共通して胞体内顆粒が核病変の出現頻度を超え、かつ高頻度(〜80%)となった。また、MJD病初期に死亡された症例(58歳、Q68)では神経細胞脱落(軽度)が橋核、黒質、クラーク核に限局していたが、PolyQ鎖の核内蓄積は低頻度ながらMJDに特徴的な病変部位に広範に出現しており、胞体内顆粒は同領域にさらに高頻度に出現していた。カテプシンDの抗原性は多数のリソゾーム内に広く認められ、PolrQ鎖はその一部に共存していた。リソゾームにおけるカテプシンH、F、LとPolyQ鎖の共存率はカテプシンDに比して低い傾向にあった。 DRPLA、MJDでは伸長PolyQ鎖を含む変異蛋白質が、広範囲の神経細胞でリソゾーム系による代謝・分解を受けている可能性がある。MJDではPolyQ鎖の核内蓄積と比較して早期からこの代謝経路が機能しているかもしれない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)