大脳皮質内GABA作動性神経細胞前駆細胞の様態の観察と培養条件の確立
Project/Area Number |
15016054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉巻 伸章 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20155253)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
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Keywords | 大脳皮質 / 神経細胞産生 / 錐体細胞 / 抑制性神経細胞 |
Research Abstract |
これまで、大脳皮質での神経細胞産生は脳室帯に限られるとする考え方が強かった。しかし、細胞分裂中の核を、リン酸化ヒストンH3に対する抗体で染色すると、細胞分裂は脳室帯の脳室端以外に、脳室下帯、中間帯、皮質板でも起きていることが分かる。その数は無視しうるものではなく、マウス胎生13日目齢(E13)では全体の25%、E15では全体の30%に及ぶ。マウスでは、大脳基底核原基から増殖能力のあるGABA作動性神経前駆細胞が生み出され、大脳皮質脳室下帯や中間帯に移り住んで、盛んにGABA作動性神経細胞を産生することが分かったが、E16以降に限られる。我々は、E15に見られる脳室帯外での細胞分裂が錐体細胞を産生する可能性を求めて、NEX(Math2)-Cre knock-inマウスを使ってNEX(Math2)陽性細胞の系譜を調べた。アデノウイルスで一部のNEX陽性細胞をGFPで標識したり、GFPレポーターマウスとNEX-Creマウスを掛け合わせて得たGFP陽性細胞を移植することにより、NEX陽性細胞は全てスパインを有する興奮性細胞になり、その大半は錐体細胞であることが確認された。脳室下帯、中間帯のNEX陽性細胞を取り出して調べると、14.3%に上る細胞がKi-67陽性で増殖中の細胞であることが分かった。この増殖中の細胞をセルソーターで取り出して、in vitroで培養するとBrdUをDNAに取り込むことも確認できた。さらに、Cre陽性細胞にのみレトロウイルスを感染させる手技を利用して、脳室帯の放射状グリア(一次錐体細胞前駆細胞)から生み出されたNEX陽性細胞(二次錐体細胞前駆細胞)に、GFP発現用鳥レトロウイルスを感染させ、それ以降の細胞系譜を追跡した。15時間の細胞周期で想定されるクローンの細胞数を、48時間後に最大2個、72時間後に最大8〜4個、と見積もったが、その通り48時間後に2〜1の染色細胞集団、72時間後に4〜1の染色細胞集団を確認した。予測と観測結果の一致から、二次錐体細胞前駆細胞は、繰り返し細胞増殖を続けていることが予測された。この二次前駆細胞は脳室下帯に留まり、次々と三次前駆細胞を皮質板供給しすると考えられた。皮質板にある三次前駆細胞は、他の細胞と伴に取り出し野生型の新生児マウス大脳皮質に移植することにより、最終分裂を行ってそれぞれ二つの錐体細胞を産生することが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)