イムノトキシン細胞標的法を利用した線条体神経回路の機能解析
Project/Area Number |
15016089
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小林 和人 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90211903)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 裕美 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00363755)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
|
Keywords | イムノトキシン細胞標的法 / ドーパミン / 行動制御 / 線条体 / 投射ニューロン / 介在ニューロン |
Research Abstract |
線条体は、運動制御、運動の選択・実行・報酬予測などの大脳基底核機能に中心的な役割を持つ。線条体には、形態的および電気生理学的に異なる複数のニューロンタイプ(2種類のmedium spiny ニューロンと数種の介在ニューロン)が存在し、これらの領域からの投射は2種類の経路(直接路と間接路)を介して出力核の神経活動を調節する。本研究では、イムノトキシン細胞標的法を利用して、ドーパミン伝達に依存する線条体ニューロン活動の調節およびその相互作用としての大脳基底核機能の制御に関する分子細胞機構の解析に取組んでいる。第一に、線条体-淡蒼球medium spinyニューロンの運動制御における役割を明らかにするために、ドーパミンD2受容体遺伝子に依存してヒトインターロイキン-2受容体α-サブユニット(IL-2Rα)を発現する遺伝子改変マウスを用いて、このニューロンタイプの誘導的破壊を行なった。破壊による神経回路における活動性指標の発現パターンおよび運動制御機能への影響を解析した。これらの結果から、線条体-淡蒼球ニューロンは淡蒼球の抑制を介して自発運動を抑制し、一方で、ドーパミン伝達に依存して淡蒼球への抑制を解除するとともに線条体-黒質ニューロンの活性化を促進することによって運動の発現を誘導することが示唆された。第二に、ソマトスタチン(SST)を含有する線条体GABA性介在ニューロンの役割を明らかにするために、SST遺伝子の制御下にIL-2R*を発現する遺伝子改変マウスを作製した。片側性のSST含有ニューロンの破壊は、破壊と反対側への回転運動を誘発し、このニューロンは自発運動の抑制に寄与することが示唆された。今後、SST含有ニューロンが線条体神経回路を制御する詳細な分子細胞機構を解析する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)