運動ニューロン特異的遺伝子過剰発現マウスを用いたALSの実験的治療の研究
Project/Area Number |
15016120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 良輔 独立行政法人理化学研究所, 運動系神経変性研究チーム, チームリーダー (90216771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三澤 日出巳 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員 (80219617)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
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Keywords | ALS / SOD1 / トランスジェニックマウス / コリンアセチル転移酵素 / XIAP / p35 / カスパーゼ-9 / アポトーシス |
Research Abstract |
本年度は変異SOD1導入ALSマウスモデルの病勢進行におけるカスパーゼの役割について運動ニューロン特異的遺伝子過剰発現マウスを作製して下記のような実験を行った。 変異SOD1トランスジェニックマウスは家族性ALSのよいモデルであり、ALSの治療法開発に格好の材料を提供する。これまでの研究から、カスパーゼ-9活性化をはじめとするミトコンドリア経由のアポトーシスシグナルが変異SOD1マウスにみられる神経変性に重要な役割を果たしていることが示唆されている。ALSにおけるカスパーゼ-9の役割を明らかにするため、我々はカスパーゼ-3、-7、-9を阻害するX染色体連鎖アポトーシス阻害タンパク質(XIAP)および広範囲のカスパーゼを阻害因子であるが、カスパーゼ-9だけは阻害しないバキュロウイルスのp35のALSへの影響を調べた。コリンアセチル転移酵素のプロモーターを使ってXIAPを脊髄運動ニューロンに比較的特異的に発現するトランスジェニックマウスを作製し、変異SOD1マウスとかけ合わせたところ、発症時期には影響しなかったが、罹病期間を延長させる効果で、生存期間を延長させた。一方同様にp35の効果を検討したところ、p35は発症時期を遅らせることで生存期間を延長させたが、罹病期間には影響しなかった。さらにカスパーゼ-9はマウスALSの発症直前から活性化が観察されたばかりでなく、ヒトALS患者剖検脊髄運動ニューロンでも活性化されていた。以上より、カスパーゼ-9はALSの病勢進行に重要な役割を果たしており、よい治療のターゲットとなると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)