Project/Area Number |
15016125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
青崎 敏彦 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・神経回路動態研究グループ, 副参事研究員 (70221033)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥7,100,000 (Direct Cost: ¥7,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥7,100,000 (Direct Cost: ¥7,100,000)
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Keywords | DRPLA / カルシウム / CAGリピート / 神経変性疾患 / CREB / トリプレットリピート |
Research Abstract |
DRPLA(歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症)は常染色体優性遺伝で伸張したポリグルタミン鎖が細胞毒牲の原因と考えられる疾患である。我々はヒトの変異DRPLA遺伝子を導入したトランスジェニックマウス(Q129)を用いてその病態生理を生理学的に考察した。生後12週以降の末期の海馬とけいれんを出し始める生後4週齢の淡蒼球のマウス脳スライスを電気生理学的に調べた。Q129マウスでは全脳の萎縮が著名で海馬も著名な萎縮が見られる。生後12週以降の海馬では、形態的に錐体細胞の樹状突起上のspineの数に減少傾向があるものの有意差はない。軸策のboutonの数にも差はなかった。しかし、(1)場電位の記録による刺激応答曲線からQ129マウスで応答が小さい。(2)EPSC(AMPA成分)とIPSC(GABA成分)の比には変化ないがEPSCのAMPA/NMDA比からAMPA受容体とGABA-A受容体の減少が示唆された。そこでそれそれのアゴニストを投与して用量応答曲線を調べた結果AMPA受容体とGABA-A受容体の減少、NMDA受容体の正常が確認された。しかし、どの受容体も機能的には正常であった。(3)2発の電気刺激によってpaired pulse ratioを調べた結果、海馬ではQ129でpaired pulse facilitationが更に亢進していた。(4)シナプス可塑性について調べたところLTPのearly phaseは正常であったが、late phaseが有意に小さく、CREBを介する蛋白合成に障害があることがわかった。しかし、強度のテタヌス刺激を与えるとその有意さは消失した。次に,(5)生後4週の淡蒼球を調べた結果、変化のあったのはpaired pulse ratioで正常では小さなpaired pulse facilitationがQ129ではpaired pulse depressionに変わっていた。以上の結果は、DRPLAの症状の痴呆やてんかん、ミオクローヌスをいずれも引き起こす可能牲のあるものであったが、その中でも最もprimaryな異常として「細胞内カルシウムの処理機構に異常」があることを示すものである。
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