Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Research Abstract |
平成15年度の特定領域研究では,平成14年度までに試作検討してきたシステムを統合した試作機を作成し,体験記録の実証実験を行った. これまでの予備実験で個人の体験記憶は,体験者を囲む外部環境と,そこから受容した情報による影響で変化する体験者自身の内的情報の,両方の側面から構成されていることが確認された.ここでは,それぞれ取得できる情報の構成が異なる2種類の試作機を提案し,ケーススタディを実施した. ケーススタディ1では生体・感覚情報の変化や音などから体験の構造化がある程度可能になった.具体的にはストレス値や不快指数の変化から,個々の体験の状態推定を行うことができた.また,作業への習熟度や作業空間の特性などの検出も行えることが明らかになった. ケーススタディ2では視野角に近い視野情報の記録により,体験空間の構成要素が中心視野のみの情報よりも明らかになり,さらに体験者自身の身体動作を同時に取得することで,体験者の環境情報への寄与を,臨場感をもって再生することが実現できた.特に身体動作の変動が大きい場合,体験者がある特定の場所や事象に対して注意を向けていることが判定できた. また,記録した多種の情報を時間軸に沿って並列的に閲覧するための再生ソフトウェアの開発を平成15年度では行った.並列して多種の情報を再生することで,各センサーデータの相互の関係を評価した.また,閾値の変更により,長時間に及ぶ体験データの中から体験者の特定の状態を取得することが明示的に行えるようになった。
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