Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 暁宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10295008)
川原 憲治 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40273859)
堀江 知義 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40229224)
池永 全志 九州工業大学, 工学研究科, 助教授 (50284716)
小出 洋 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (90333517)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,ネットワーク上に分散した大量の計算機等のさまざまな資源を効果的に共有化して,Gridコンピューティングで利用できるようにすることである.ネットワークに接続された計算機を含むさまざまな特殊機器,データ,ソフトウェアの共有化は,本来ネットワークが備えているべき機能である.特にGridコンピューティングにおいて,分散化された大量の計算機の計算機能力,データ,特殊機器の共有化が効率的に達成できると非常に有益である.しかし,既存のネットワークを用いて多くの計算機資源を共有して行うGridコンピューティングの場合,常に期待通りの効果は得られない.従来のクラスタコンピューティングと異なり,Gridコンピューティングにおいて効率的に資源共有を行うには,(1)ネットワークや(2)計算資源(計算機,メモリ等)の利用状態の変化に考慮して,ネットワークの利用,資源確保,タスク割り当てを行う必要がある.これまでに(1)について,QoS提供機構の解析と,効果的なプロセス転送機能のシミュレーション実験により,最適化する方法を検討した.また,ネットワーク中の全ての計算機に対する完全通信であり,かつ通信オーバーヘッドを仮定した場合のプロセス転送スケジューリングを提案している.一方,(2)について,プロセッサの利用状態を考慮したプロセス割り当ての手法の検討と,その理論的な評価を行った.また,分散記憶管理からの情報を考慮したタスクスケジューリング手法を提案し,Java言語による分散プログラムを対象とした実装を行い,性能を評価した.以上のように,資源利用状態を考慮した負荷分散機構の基礎特性の評価と一部実装まで遂行している.今後,いままでの研究成果を連携させ,計算資源を効果的に共有化することを目的とする研究として,ユーザ主導のネットワーク資源利用の選択手法,通信タスク分割を用いた通信スケジューリングアルゴリズムの検討と実装,ネットワーク性能推定からの情報を考慮するタスクスケジューリングの実装と評価を行う.いずれも上述の状態変化を考慮しており,ネットワークに着目した,互いに密接に関連した研究課題である.
|