Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
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Research Abstract |
近年発展が著しい情報学の研究成果と大量観測データを生み出す最新の望遠鏡技術の融合として構築を進めているJapanese Virtual Observatoryのプロトタイプ第2版が完成し,その評価を実行した。プロトタイプ第2版では,GRIDツールとして標準的なGlobus Tool KitのGRID Servicesを利用し,第1版で明らかになったGRIDジョブの起動時間が長すぎるという問題を解決した。第1版では20〜30秒程度かかっていたジョブ起動が数10ミリ秒で可能となり,実用システムの開発が可能となる目処がたった。 また実用システムで利用可能な,データベースを連携する際に必須となる検索言語(JVO Query Language)の汎用パーサー,JVOで実行される各ステップの実行手順を自動的に作成するスケジューラー,JVOを構成する計算資源の探索に必要なXMLメタデータ検索機能,シングル・サイン・オン機能,等を新規に設計・実装した。 JVOプロトタイプ2を用い,天文研究がどれだけ加速できるかを調べるため,クォークの起源を予想されている「宇宙ひも」による重力レンズ二重像を実際の観測データを用いて探すことを試みた。二重像候補探索は従来手法では数時間以上かかるが,JVOでは2〜3分で可能であることが分かった。このように情報技術を天文学に導入することが,当初の予想通り,研究の進展にとって極めて有効であることが示された。 これらの研究成果は,GRID関連の複数の国際学会における招待講演の結果非常に高い評価を受け,我が国のGRID関連活動を国際的に公表することができた。
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