新しい抗ウイルス戦略をめざしたヘルペスウイルス遺伝子発現制御因子の解析
Project/Area Number |
15019038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川口 寧 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60292984)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | ヘルペスウイルス / BAC system / 遺伝子発現制御因子 / cdc2 / GFP / 抗ウイルス活性測定系 |
Research Abstract |
本研究の目的は、HSVおよびEBV感染直後に発現する制御因子およびウイルス特異プロテインキナーゼ(PK)の機能発現機構を解析し、新たな抗ウイルス剤開発や抗ウイルス戦略構築に向けての基礎的な知見を蓄積することにある。本年度の成果は以下の通りである。 (i)EBVがコードするPKであるBGLF4の新規標的因子としてEBV制御因子EBNA-LPを同定し、そのリン酸化部位がEBNA-LPの主要機能を制御するSer-35であることを明らかにした。また、Ser-35が宿主のPKであるcdc2によってももリン酸化されることが明らかになった。以上の結果は、EBNA-LPの機能発現が宿主およびウイルスのプロテインキナーゼによって制御されていることを示している。 (ii)野生体の性状(培養細胞での増殖性や動物モデルでの病原性)を保持した完全長の感染性HSVクローンの構築に成功し、あらゆる目的に利用可能なHSV組み換え系を確立した。我々が確立したHSVのリバースジェネティックス法は、HSVの増殖機構、病原性発現機構といった基礎研究から、新規HSVベクターの開発まで幅広く利用可能であると考えられる。 (iii)完全長のHSV遺伝子を保持し、かつ、GFPを発現する組み換えHSVを作製した(YK333)。YK333は、GFPを効率よく発現し、培養細胞においては野生株と同等な増殖能を示した。YK333を用いて、大量サンプルの簡便・迅速スクリーニング目的とした抗ウイルス活性解析系(fluorescence-based anti-viral assay)を確立した。本系は、96-well microplateを用いるので、大量サンプルの処理が可能である。行程は、細胞にウイルスYK333および薬剤を添加・培養後、GFPの発現をfluorometerでそのまま計るといった単純なものであり、全行程は2日間で完了する。感度は、抗ヘルペスウィルス剤ガンシクロビルを用いた場合、plaque reduction assayとほぼ同等なIC_<50>が得られた。YK333はHSV動態追跡に有用であるだけでなく、抗HSV剤の大量・迅速スクリーニングにも応用可能であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)