感染により誘発されるリンパ節高内皮細静脈の機能変換とその獲得免疫成立における意義
Project/Area Number |
15019057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 稔之 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30217054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 多佳子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00346199)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | リンパ球ホーミング / 高内皮細静脈(HEV) / ケモカイン / ケモカイン結合分子 / リンパ節 / パイエル板 / 細胞外基質 / 獲得免疫 |
Research Abstract |
【目的】高内皮細静脈(high endothelial venule:HEV)はリンパ球ホーミングを制御する特殊な小静脈で、獲得免疫の成立に必須の役割をになう。本研究では、感染に対する獲得免疫成立過程におけるHEVを介するリンパ球ホーミングの分子機構を明らかにすることを目的として、HEVに発現するケモカインとケモカイン結合分子について以下の解析を行った。 【方法と結果】1:HEVに発現するケモカインCXCL13/BLCによるB細胞ホーミングの制御:リンパ節およびパイエル板HEVは、B細胞に作用するCXCL13を特異的に発現することを見いだした。遺伝子欠損マウスを用いた解析から、CXCL13欠損パイエル板では、B細胞のHEVへの接着が特異的に障害されており、これはCXCL13蛋白質の再構成により回復すること、およびCXCL13欠損リンパ節へのB細胞ホーミングが有意に障害されていることが示された。これらの結果から、CXCL13がB細胞のHEVへの接着制御を通じてB細胞のホーミングに重要な役割を担うことが示された。2:HEVに発現するケモカイン結合分子によるケモカインの活性と空間配置の制御:HEVに発現するケモカイン結合分子のうち、DARC(Duffy antigen receptors for chemokines)は主としてHEV管腔面に分布し、CXCL1,CXCL5,およびCCL2などの炎症性ケモカインを結合してその活性を負に制御するscavenger受容体として機能することが示唆された。一方、mac25/angiomodulin(AGM)はHEVの基底膜に濃縮して存在し、CCL21およびCXCL10の活性を保持した状態で捕捉し、ケモカイン提示分子として機能することが示された。さらに、HEVの近傍に分布する細胞外基質成分がケモカイン結合活性を有することを新たに見いだした。 【考察】リンパ球ホーミングを司るHEVは、ケモカインのみならず多彩なケモカイン結合分子を発現してケモカインの活性と空間配置を積極的に制御し、効率的なリンパ球ホーミングを可能にする微小環境を構築していると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)