生体防御レクチンとCD14・Toll様受容体関与の自然免疫生体防御の分子機構
Project/Area Number |
15019094
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
黒木 由夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70161784)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 亨 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40347159)
佐野 仁美 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (80295344)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
|
Keywords | 生体防御レクチン / コレクチン / 自然免疫 / CD14 / Toll様受容体 / 肺サーファクタント蛋白質 / マクロファージ / ザイモサン |
Research Abstract |
本研究においてはパターン認識分子である生体防御レクチンとCD14/TLR関与の自然免疫機構を解明するために、TLRのリガンド認識機構、TLRとCD14およびコレクチンとの相互作用、コレクチンによるマクロファージ活性化の機構を明らかにすることを目的として遂行された。以下に本年度の実績を要約する。 1.酵母カビの細胞壁成分のザイモサンはTLR2導入HEK293細胞でのNF-κB活性化とRAW264.7細胞からのTNF-α分泌を濃度依存性に促進した。Met^1-Arg^<587>領域からなる可溶型TLR2蛋白はザイモサンと共沈し、^<125>I標識sTLR2はザイモサンに濃度依存性、飽和性の結合を示した。SP-Aは、TLR2発現HEK293細胞でのザイモサン誘導NF-κB活性化を抑制し、肺胞マクロファージからのザイモサン刺激TNF-α分泌を低下させた。SP-AとTLR2細胞外ドメンとの結合によってTLR2-ザイモサン相互作用が減弱してTLR2介在シグナル伝達とTNF-α分泌の抑制が惹起されると考えられた。 2.TLR2の欠損変異体と点突然変異体の解析により、マイコプラズマリポ蛋白刺激NF-κB活性化には、TLR2のSer^<40>-Ile^<64>、および、Leu^<107>、Leu^<112>とLeu^<115>が必須であることが示された^<7)>。 3.PGN刺激によるTLR2介在シグナル伝達はCD14の共発現により増強するが、TLR2細胞外ドメインとCD14との結合を明らかにした。その結合はCD14のアミノ酸残基57-64領域を認識する単クローン抗体によって阻止され、欠損変異体CD14^<Δ57-64>はsTLR2と結合できなかった。TLR2とCD14^<Δ57-64>との共発現によってwtCD14でみられるPGN惹起NF-κB活性化の増強効果は認められなかった。 4.肺コレクチンは肺炎球菌と非定型抗酸菌に濃度依存性に結合するとともに、FITC-標識細菌の肺胞マクロファージへの取り込みを促進した。細菌貧食促進効果はコレクチンと細菌との結合に非依存性で、細胞との相互作用が重要であった。さらに、コレクチンは、クロファージ上でのスカベンジャー受容体Aとマンノース受容体の発現を増加させることによって細菌の貧食を促進していると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(10 results)