感染部位での異物排出システム群の発現解析を基盤にした多剤耐性緑膿菌感染症の克服
Project/Area Number |
15019108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
後藤 直正 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (30121560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 淳 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (00181256)
西野 武志 京都薬科大学, 教授 (50097838)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
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Keywords | 緑膿菌 / 排出システム / 抗菌薬耐性 / クォーラムセンシング / 基質認識 / Pseudomonas aeruginosa / Quorum sensing / Resistance |
Research Abstract |
緑膿菌感染症の化学療法の問題点は、種々の抗菌薬や消毒薬に対する本菌の高度自然耐性を示すところにある。生育環境下の異物からの自己防衛に働くマルチコンポーネント型異物排出システム(Mex)の機能および発現制御機構を基盤に、緑膿菌の抗菌薬耐性の軽減、さらには病原性の低減や緑膿菌の生育の人工的制御法を考案することを目的として研究を行い、つぎの成果を得た。 1.Quorum sensing機構に連動したマルチコンポーネント型排出システムの発現 Mexシステム発現への影響について特異的抗体を用いたイムノブロットと定量的RT-PCRにより調べた。MexCD-OprJ、MexJK, MexHI-OpmD、PA1435-PA1436、PA2528-PA2527-PA2526-PA2525およびCzcABCの発現がQuorum sensingによって制御されていることが分かり、これらの発現は、定常期で増加する結果と一致した。これは、定常状態で緑膿菌が抗菌薬に高度自然耐性を示すことを説明する結果であった。 2.基質認識機構と排出システムのQuorum sensing機構 排出システムによる基質認識は、少なくとも2箇所(Pore領域、Vestbule領域)で行われていることやMexシステムがQuorum sensing機構の発現にも機能していることが分かった。 本年度の研究によって、排出システムの発現がQuorum sensing機構によって制御されていること、また排出システムがQuorum sensing機構の発現にも機能していることが明らかとなった。緑膿菌のMexシステムが本菌の抗菌薬耐性に機能するのみならず、本菌の内因性感染の成立に重要な役割を果たしているという知見とを総合すると、排出システムの阻害は抗菌薬耐性や緑膿菌の病原因子の産生を軽減させる新しい抗感染症薬創生への標的となる可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)