Budget Amount *help |
¥7,600,000 (Direct Cost: ¥7,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,仮想実験環境における仮説・検証を補助する思考実験シミュレータの設計・開発を試みた.このシミュレータを構成する三つのモジュール,(1)仮説解釈器,(2)ロバストシミュレータ,(3)教育的評価器,のうち,学習者の誤った仮説を真とした上でのシミュレーションを実行するロバストシミュレータについては,前年度までに実現していたので,本年度においては,残りの(1)仮説解釈器,と(3)教育的評価器,を高校程度の力学を具体的な対象領域として実現を目指して,その基本設計とプロトタイプの作成を行った.仮説解釈においては,まず学習者に力学系を与え,グラフィカルツールを用いてその力学系についての定性モデルを作成させ,それを仮説として定性方程式化する機能が実現されている.入力された方程式に基づいてロバストシミュレータがシミュレーションを行うが,方程式が誤っていた場合には,方程式の表す制約集合(全体系)から,互いに矛盾しない全ての部分集合(部分系)を取り出し,その部分系の範囲でシミュレーションを行う.このため,複数のシミュレーション結果が出力されることになる.出力された複数の結果を教育的観点から評価し,学習者に仮説の誤りに気づかせ,その誤りの修正へと導くために有用な情報を含んでいると判断できるものだけを学習者に提示する機能が,教育的評価器として設計された.
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