ファンコニ貧血と骨髄異形成症候群におけるゲノム不安定性の分子機構の解明
Project/Area Number |
15023215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 孝之 東京大学, 医科学研究所・寄付研究部門教員(常勤・客員助教授) (10166671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 司 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員(常勤・助手担当) (10323643)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
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Keywords | ファンコニ貧血 / DNA修復 / ユビキチン・リガーゼ / 蛋白相互作用 / 核輸送 / reversion |
Research Abstract |
Fanconi貧血(FA)は遺伝的に異なる少なくとも11群に分類され、このうち8群の遺伝子が同定されている。これらの遺伝子産物のうちFANCA/C/E/F/G/Lを含む核内複合体(FA複合体)の形成に依存してFANCD2がユビキチン化により活性化され、この活性型FANCD2がBRCA1,BRCA2/FANCD1と相互作用してゲノムを安定化すると考えられる。本研究では、FA複合体の動態とFANCD2活性化の関係を明らかにするために、FANCAのN末領域に含まれるFANCG結合部位と核局剤化シグナルのアミノ酸をアラニンに置換した変異体を用いて解析を行った。我々の結果は、FANCD2の活性化にとって安定なFA複合体全体の形成は必須ではなく、特にFANCA/Lの核移行が重要であること、またFANCGはFANCAに結合してその核移行を抑制的に制御することを示唆した。さらに、我々はFANCA結合蛋白としてHsc70を同定した。同時にFANCAにはHsp90/HSP40が結合しており、dominant-negative体や特異的阻害剤の効果はこれらのシャペロン複合体がFANCAの発現レベルおよび核移行の制御に重要であることを示唆した。FA患者検体の解析では、27家系でFANCAの変異を同定し、特にlarge deletionの新しい発生機構を見出した。また、FAにおいてはリンパ球におけるrevefsionが高頻度で見出されるが、我々は骨髄細胞系統に選択的に見られるreversionとこれによる造血の長期的維持を示す症例をはじめて見出した。これは、FAにおける早期の遺伝子治療の有用性を示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)