HTLV-1とHTLV-2の白血病発症能の違いを決める分子機構
Project/Area Number |
15023220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤井 雅寛 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30183099)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Keywords | ウイルス / HTLV-1 / 発ガン / PDZ / ATL / 分子生物学 / 感染 / トランスフォメーション |
Research Abstract |
1、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスである。方で、ATLを含む悪性白血病へのHTLV-2の関与は無いとされている。HTLV-2のトランスフォーミング蛋白Tax2による足場非依存性細胞増殖の誘導活性(軟寒天中でのコロニー形成能)がTax1より顕著に低下していることを報告してきたが、この活性の違いがTax1のC末端にあるPDZドメイン結合配列によって決められていることを明らかにした。Tax2にはこの配列はなかった。さらに、この配列を介して、Tax1のみがPDZドメイン蛋白Dlg並びにMAGI-3と結合することを明らかにした。Dlg並びにMAGI-3は癌抑制因子として機能することが示唆されており、以上の結果は、これらを抑制することがウイルス感染細胞の悪性化に関与することを示唆している。 2、Tax1とDlgあるいはMAGI-3を共発現すると、両者の細胞内での局在が変化することが示された。また、MAGI-3がTaxの発現量を増加させることが示された。以上の結果はPDZドメイン蛋白がTax1の機能を調節していること、一方で、Tax2の機能はこの調節を受けていないことが示唆された。 3、繊維芽細胞株(Rat-1)においてTax1によって発現が誘導される遺伝子としてMAGI-3を同定した。上記に示したように、誘導されたMAGI-3がTax1に結合し、Tax2には結合しないことが示された。以上の結果は、Tax1誘導性の分子MAGI-3がTax1の機能を調節することを示唆している。
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Report
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Research Products
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