C型肝炎ウイルスの持続複製による遺伝子不安定化と肝がん発症機序の解析とその制御
Project/Area Number |
15023266
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小原 道法 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10250218)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米川 博通 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (30142110)
習田 昌裕 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10356256)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
|
Keywords | C型肝炎ウイルス / ゲノム不安定化 / HCV遺伝子スイッチング発現 / Tgマウス / 発癌 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)は宿主遺伝子に組み込まれる事なく持続感染し、肝硬変から高率に肝がんを発症する。肝細胞癌では染色体の増加、減少、切断、消滅などが観察され、その原因としてHCVの持続感染複製が遺伝子変異の誘導、相同組換えの亢進、異常修復による挿入や欠失の蓄積等を介してゲノム不安定化を惹起していると考えられる。そこで、HCVの本来の持続感染状態を再現できうるHCV遺伝子スイッチング発現培養細胞及びTgマウスなどの動物実験系をもちいて、全長HCVウイルス遺伝子発現後に起こるゲノム不安定化と表現形の変化を経時的に解析し、HCVの慢性感染による細胞の不死化からゲノム不安定化を経て発癌に至る過程の分子機構の解明を目的とした。HCVによる宿主DNA修復機構への影響を検討するために、DNA修復酵素であるWRNヘリカーゼの機能阻害について解析した。Core蛋白質を発現しているHeLa細胞に、DNA topoisomerase I阻害剤であるカンプトテシンを処理する事でDNA障害を誘導し、カンプトテシン除去後に起こるDNA修復を、コメットアッセイを用いて定量化した。その結果、HCV Core蛋白質の発現細胞において、DNA修復が遅延化している事を明らかにした。更にsiRNAによりWRNヘリカーゼの遺伝子発現を抑制した結果、HCV Core蛋白質と同様なDNA修復遅延効果が認められた。また、HCV Core蛋白質発現HeLa細胞ではWRNヘリカーゼが細胞質に局在していた。これらの結果から、HCV Core蛋白質によるDNA修復の遅延化が、WRNヘリカーゼの核移行の抑制を介して起こる可能性が示唆された。現在、WRNヘリカーゼの発現ベクターを導入し、Core蛋白質発現により遅延化したDNA修復への影響を解析している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)