腫瘍由来変異型pRBによるサイクリンD1の発現誘導と細胞癌化における意義
Project/Area Number |
15024205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東 秀明 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (20311227)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | 癌 / 発現制御 / 転写因子 / 遺伝子変異 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
RBファミリータンパク質は、ポケット活性依存的にE2F転写活性を抑制し細胞周期の進行を阻止する。その増殖抑制は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)によるリン酸化で解除される。一方、pRBは自身の機能を不活化するサイクリンD1遺伝子の転写量を増加させることに加えて、機能的なRB遺伝子を持たない細胞ではサイクリンD1の発現量が低下していることが知られている。本研究では、RBファミリー従来の増殖抑制能とは異なる、細胞増殖亢進につながるRBファミリー依存的なサイクリンD1発現誘導機構の解明を目標とした。機能的なRB遺伝子を持たない細胞において、RBファミリーp107及びp130を異所性発現させることで、pRBと同様にサイクリンD1の発現量が増加することを見出した。さらに、RBファミリーによるサイクリンD1転写活性化に関与する転写因子の同定を試みたところ、NFκB依存的な転写を介して転写活性化が引き起こされていた。一方、pRBにおけるサイクリンD1発現誘導に関わる責任領域の同定を行ったところ、pRBのポケットAおよびB領域、またはC端領域それぞれが個別にサイクリンD1発現誘導能をもつことが明らかとなった。また、癌細胞由来のE2F結合能を失った変異型pRBによってもサイクリンD1の誘導が認められた。以上のことよりRBファミリーは、ポケット活性依存的な増殖抑制能とは区別されるサイクリンD1発現誘導活性を有しており、RB遺伝子ポケット領域の変異は増殖抑制活性の不活化に止まらず、細胞の異常増殖をさらに亢進させる可能性が示唆された。また、RBの機能が遺伝子欠失またはアミノ酸置換という異なる様式で不活性化された場合、その細胞の増殖抑制能に与える影響は大きく異なる可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)