がん原因遺伝子の検出法と治療への応用を目指したmRNA分解制御機構の解明
Project/Area Number |
15024211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 保弘 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60345254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (40219168)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | G蛋白質 / mRNA分解 / NMD経路 / Ski7 / Upf因子群 / Ski複合体 / エキソソーム |
Research Abstract |
真核細胞には、転写・複製中のエラーや不適切なスプライシングにより生じる未成熟な翻訳終結コドン(ナンセンス変異)を含むmRNAを選択的に分解するNMD(Nonsense-mediated mRM decay)と呼ばれる監視機構が存在している。この作用により、ナンセンス変異をもつ転写産物からC末端側が欠失したタンパク質は生成されない。これまでNMD経路では、通常のmRNA分解と異なり、3'→5'方向の分解は介在しないと考えられていた。先に我々は、新規G蛋白質Ski7が真核細胞の3'からのmRNA分解に寄与することを示した。平成15年度は、このG蛋白質を中心に、3'からのmRNA分解とNMD経路の関連について、酵母を用いた解析から検討を進め、以下の知見を得た。 1、3'→5'方向の分解関連因子の破壊株において、ナンセンス変異を含むmRNAが蓄積することを見出し、NMD経路においても3'→5'方向の分解が寄与することを明らかにした。さらにNMDの3'→5'方向のmRNA分解には、通常のmRNA分解における3'→5'分解機構、すなわち{mRNA分解酵素の本体であるエキソソーム、その補助因子のSki複合体、そして両複合体の共役因子であるSki7が必要であった。2、ナンセンス変異を含むmRNAの3'→5'方向の分解が促進しており、この活性化には、NMD経路で機能するUp咽子群が寄与していることを見出した。3、Upf因子群と3'からの分解関連因子との相互作用の有無を検討したところ、Ski7との相互作用を見出した。さらにSki7上のUpf因子相互作用部位を同定し、野生株に過剰発現することにより、ナンセンス変異を含んだmRNAの3'→5'方向の分解が特異的に阻害された。以上の結果から、Ski7G蛋白質とUpf因子群間の相互作用が、NMD経路の分解促進に必要であることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)