機能プロテオミクス解析によるDNA損傷誘発性がん細胞死の制御機構の解明
Project/Area Number |
15024222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉田 清嗣 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70345312)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | がん細胞 / アポトーシス / DNA損傷 / プロテオミクス / c-Abl / PKCδ / Lyn / リン酸化 |
Research Abstract |
がん細胞では細胞死(アポトーシス)を含む様々な細胞内シグナル伝達に異常があることが知られており、このメカニズムの解明によりがん治療における新たな標的因子の同定や、がん選択的な治療法開発への貢献が期待される。我々はDNA損傷によるc-Abl、Lyn、PKCδといったキナーゼ群のアポトーシスシグナルでの役割を、主にそのリン酸化によって制御される分子の同定を準じて明らかにしてきた。本研究ではこれらキナーゼ群のアポトーシス誘導機構を網羅的に解明する端緒として、これらの複合体構成因子の単離を目的としたLC-MS/MS(Liquid Chromatography-Mass Spectrometry)によるプロテオミクス解析を遂行した。c-AblとPKCδについては複合体の同定並びに解析が進行中であり、その中で両方のキナーゼに共通の基質となるhRad9については機能解析が終了した。hRad9はアポトーシスを誘導するが、その制御機構は不明であった。我々はまずc-AblがRad9と結合し、チロシン残基をリン酸化することを見い出した。またこのリン酸化がBcl-2/xLとの会合に必要であり、かつアポトーシス誘導に必須であることを明らかにした。次に、Rad9の恒常的かつDNA損傷で誘導されるリン酸化を担う主要なキナーゼとしてPKCδを同定した。PKCδの活性阻害による脱リン酸化状態のRad9ではBcl-2と会合できないことを示し、PKCδによるアポトーシス誘導のメカニズムの一端が明らかとなった。さらに、種々の手法を用いてこれらのキナーゼの細胞内局在を調べたところ、DNA損傷に伴って核に移行することを見い出した。核移行はアポトーシス誘導に必須であることから、現在上記のプロテオーム解析で複合体構成因子として単離されたいくつかの分子について、この核移行に関わるタンパク質群を同定し機能解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)