Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
癌の悪住度は,転移の頻度および抗癌剤や腫瘍殺傷能を有する免疫担当細胞に対する感受性などにより規定される.フラクタルカインは細胞接着と遊走活性を合わせ持つケモカインで細胞の接着と遊走に深く関わっている.腫瘍細胞におけるフラクタルカイン発現は細胞傷害性T細胞に対する感受性を示し,癌の遊走と転移および免疫担当細胞に対する抵抗性など癌の悪性度に深く関わっている.我々は,1)フラクタルカインレセプター(CX3CR1)がNK細胞とCD8陽性T細胞に発現していること,2)フラクタルカインが接着分子と協調的に細胞接着を誘導すること,3)フラクタルカインが選択的にCD8陽性T細胞やNK細胞を遊走させること,5)フラクタルカインがNK細胞から傷害顆粒を放出させること,6)フラクタルカイン発現癌細胞がNK細胞に高い感受性を示すこと,7)固層化フラクタルカインがNK細胞を活性化しIFN-γ産生を増強することを明らかにした.このように,腫瘍細胞がフラクタルカインを発現している場合には,CD8陽性T細胞やNK細胞により傷害を受け除去され,逆にCX3CR1を発現している場合には,内皮細胞との接着増強,フラクタルカインによる遊走増強を受け,浸潤や転移が増強する可能性がある.
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