サイクリンEのユビキチンリガーゼCdc4が細胞周期進行に果たす役割
Project/Area Number |
15024250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 啓子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | Cdc4 / サイクリンE / ノックアウトマウス / F-boxタンパク質 / c-Myc |
Research Abstract |
サイクリンEは380番目のスレオニン(スレオニン380)がリン酸化されるとタンパクの安定性が低下することから、リン酸化依存的な分解経路があるととが示唆されてきた。2001年にリン酸化スレオニン380を認識するユビキチンリガーゼとしてF-boxタンパクCdc4が報告された。Cdc4の過剰発現によつてサイクリンEの分解が促進されるというデータであった。また、あるがん細胞ラインではCdc4に変異があり、サイクリンEの過剰な蓄積が観察されている。 そこでわれわれはCdc4のノックアウトマウスを作製した。Cdc4ノックアウトマウスは胎生10日付近で致死となり、その際、特に頭蓋内出血が多くの個体で認められた。Cdc4ノックアウトマウスでは、原始血管叢は正常に形成されるが、リモデリングが起こらないために、正常の血管形成が認められなかった。死亡原因は、血管形成異常であると考えられた。一方、Cdc4の基質と報告されたサイクリンEは、、Cdc4ノックアウトマウスにおいて量的に変化は認められず、サイクリンEによって制御されるCDK2活性にも変化はみられなかった。このことより少なくとも胎生中期では、サイクリンEの分解にCdc4は必須ではないと結論づけられる。しかし胎生10日胚を用いた解析は生化学的解析などに限界があること、また、サイクリンEの蓄積にともなう発がん機構の解明には成体マウスが必要なことからコンディショナルノックアウトマウスを作製することをめざして研究を進めている。また、Cdc4はがん遺伝子c-Mycもユビキチン化する可能性を示唆するデータが予備的実験から得られている。今後、Cdc4の生物学的役割とともに発がん機構への関与についても検討したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)