DNA-PKを介した放射線損傷シグナル伝達機構の解析と癌放射線治療への応用の試み
Project/Area Number |
15025225
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 義久 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20302672)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
|
Keywords | DNA依存性プロテインキナーゼ / XRCC4 / DNA ligase IV / シグナル伝達 / DNA二重鎖切断修復 / リン酸化状態特異的抗体 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
DNA-PKは、二本鎖DNAの末端に結合して活性化するタンパク質リン酸化酵素であり、放射線照射によって生じたDNA二重鎖切断の「センサー」として、修復や情報伝達に極めて重要な役割を担うと予想されているが、「真の基質」が明らかになっていなかった。私は近年、XRCC4がDNA-PKの真の基質の一つであることを初めて示し、平成13、14年度の研究により、3ケ所のリン酸化部位の同定、リン酸化状態特異的抗体の作製、リン酸化部位変異体発現細胞株の樹立などを進めてきた。また、XRCC4のリン酸化部位の同定がきつかけの一つとして、P53の新しいリン酸化部位を見出した。本年度は、放射線照射によるXRCC4リン酸化の誘導とその生理的意義の解析を中心に研究を進めた。その結果、3ヶ所のうち2ヶ所が放射線照射後、in situで線量および時間依存的にリン酸化されること、また、リン酸化の意義として、DNA ligase IVとの複合体の形成やその基本的機能に必須のものではないが、放射線照射あるいは通常の増殖過程で生じたDNA損傷の修復の効率や精度に影響する可能性が示唆された。更にこの可能性を検討するために、現在共同研究により、染色体異常や突然変異の出現頻度の解析を行う他、リン酸化が先行指標として感受性予測に役立つ可能性を検討するため、生検標本を用いて、臓器特異性、個人差も含めて癌および正常組織の放射線感受性とリン酸化のパターンの関係を調べている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)
-
-
[Publications] Enomoto, A., Suzuki, N., Kang, Y., Hirano, K., Matsumoto, Y., et al.: "Decreased c-Myc expression and its involvement in X-ray-induced apoptotic cell death of human T-cell leukemia cell line MOLT-4."International Journal of Radiation Biology. 79. 589-600 (2003)
-
-
-
[Publications] Enomoto, A., Suzuki, N., Morita, A., Ito, M., Liu, C.Q., Matsumoto, Y., et al.: "Caspase-mediated cleavage of JNK during stress-induced apoptosis."Biochemical and Biophysical Research Communications. 306. 836-842 (2003)